
自律神経の不安定さが引き起こす症状
貧血
目の前チカチカ、星が飛ぶ
妊娠前から貧血ぎみな人なら、経験があるかもしれません。なにかの拍子に目の前がチカチカと点滅し、無数の星が瞬いているかのような感覚や、座っていた姿勢から急に立つ時に一瞬クラっとする立ちくらみ。
これは“貧血になった”と表現されますが、実は「脳貧血」といいます。妊娠初期には、ホルモンの影響や体が新しい環境に適応していく過程で、自律神経が不安定になります。そのため血圧のコントロールが不十分になり、脳に血液が届かないと、このような「立ちくらみ」の症状がよくみられます。これは必ずしも血液成分中の赤血球が少ない本当の「貧血」とは限りません。
妊娠初期検査で貧血の値が正常だと言っても油断しないで。妊娠経過と共に、血液は胎盤循環に適応するため水分量が増えていき、相対的に赤血球濃度が薄く、つまり貧血ぎみになります。それに加え、ベビーの成長に鉄分が必要となるので、母の貯蔵鉄が使われ、母体は鉄分不足になりがち。妊婦さんの3~4割が、鉄欠乏性貧血になるといわれています。
妊娠初期に限らず、中期以降も要注意
妊娠中期以降は、さらに鉄分が必要です。妊婦さんの貧血は徐々に進んでいくため、体が慣れてしまい、動悸や息切れなどの自覚症状が何もないことも多いのです。貧血予防には、妊娠初期から鉄分を多く含む食事を意識していくことが大切です。ひじきやほうれん草、しじみ、あさりなどに比較的多く含まれます。
貧血検査は妊婦健診中に数回おこなわれるはず。食事での摂取だけでは不足していると判断された場合は、飲み薬や注射で鉄分を補う治療を行います。
【取材・監修】
村上麻里先生 水口病院 副院長 産婦人科専門医
新潟大学医学部卒業、大学付属病院、関連病院勤務を経て現職。小3、小4、小6の3姉妹の母。「子宮頸がん予防の会」世話人。「母乳育児支援ネットワーク」理事。
「妊娠・出産は女性の生き方や考え方を大きく変化させる、すばらしい機会です。妊婦さんが主体として自然に産んで、自然に母乳で育てられるような支援をめざしています。昨秋からはじめた大人の初心者バレエ、ストレッチだけで体中が痛くなります。筋肉に対する意識が変わってきたかも。がんばって続けます。」