
はたらく妊婦はここが気になる。感染症にまつわるQ&A
はたらく妊婦さんが気になる感染症に関する疑問に、清水先生にお答えいただきました。
■オフィスで簡単にできるできる感染症対策は?
換気をすることが大事です。1日に2〜3回は換気をして、空気を入れ替えましょう。また、冬には加湿も重要になりますので、加湿器をつけるとよいでしょう。自分の机に小型のものをひとつ置くのも有効な対策です。
■コップや茶碗のオフィスでの共用って、大丈夫なの?
共有の食器には熱処理の必要があります。ウイルスは70〜80度の熱で死滅するので、よく洗いそれ以上の熱湯で処理します。処理も重要ですが、できれば個別のものを用意するとよいでしょう。
■手洗い・うがい・マスク以外でできることは?
対策として一番重要なのは自身の体力を上げておくことです。免疫力を高めておけば、自分でウイルスに打ち勝つことができます。免疫力を高めておけば、食中毒・感染症・夏風邪などにもかかりにくくなります。
■免疫力を高めるにはどうすればいいですか?
規則正しい生活と、バランスのとれた食生活をすることがポイントです。忙しい場合は、その中で生活のリズムを作るよう心がけましょう。生活リズムに合わせて、ご飯は3食、必ずとるようにします。そして食事はできるだけバランスのよいものにしてください。そして、ストレスでも免疫は落ちるのです。ストレスを溜めないようにすることも、感染症対策のひとつです。
■妊娠中、のど飴は嘗めても大丈夫?
舐めてもいいですが、舐めすぎると糖のとりすぎになります。その点のみご注意。1日2個くらいまでにしておきましょう。使用量を守って使う分には問題ありません。殺菌成分が入っていますが、これも特に問題ありません。
<そして気になる新型インフルエンザ 〜過剰に心配する必要は無し〜>
■新型インフルエンザは、もう終息したの?
そうとは言い切れません。一度沈静化した後、秋ごろに復活する可能性があります。もし発生したら、規模はそれほど変わりませんが、春の流行よりも大きな広がりを見せることも考えられます。9・10月以降に出産予定の方は、健康管理や予防に気を使いましょう。
とはいえ新型インフルエンザは、それほど怖い病気ではありません。きちんと予防をしていれば防げますし、仮にかかってしまっても早期に抗ウイルス薬(タミフル・リレンザ)を飲めば治る病気なのです。
季節性インフルの致死率は0.01〜0.02%。それに対して新型インフルエンザは0.04%です。季節性のインフルエンザよりは若干高い数値ですが、いずれにせよ致死率は低いと言えます。きちんと対策を取って乗り切りましょう。
■妊娠中は、薬の服用は避けたほうがいいのでしょうか?
抗ウイルス薬は妊婦さんが飲んでも大丈夫です。これまでに抗ウイルス薬を摂取して胎児に問題が発生したという報告はありません。
妊娠16週で胎盤ができるため、一般的にはそれ以降の人に抗ウイルス薬を投与することになっています。したがって妊娠16週目以降の人にはまず問題が無いでしょう。また、妊娠初期の人であっても長期の高熱を伴い自力で直すよりも、早く治したほうが胎児への影響は少ないと考えられます。
■やはり妊娠中の予防接種は控えるべきでしょうか?
予防接種は、むしろしたほうが良いでしょう。妊婦さんは胎児への影響を恐れて敬遠しがちですが、妊婦さんこそ優先的に受けるべきなのです。むしろ自分から率先して打ちに行って下さい。お年寄り、子ども、慢性疾患(糖尿病・気管支喘息)の患者さん、そして妊婦さんは抵抗力が低下しているので、もしかかったときに重病化しやすい状況にあります。罹患率は変わらないのですが、悪化しやすいのです。
■仮に妊娠中にインフルにかかってしまったら、胎児への影響はあるのですか?
これまでに、インフルエンザが胎児に影響を及ぼした例は報告されていません。熱が出ておかしいと感じたら、すぐにかかりつけ医に相談し、適切な処置を受けて下さい。

【取材・監修】
清水良美先生
清水産婦人科クリニック院長日本産婦人科学会認定医。日本大学医学部を卒業後、国立立川病院産婦人科医長や日本大学病院総合検診センター医長などを務め、現在は清水産婦人科クリニックの院長として活躍する。
2009/06/15更新