妊娠中の食事

ルイボスティーやチョコレートに注意!?

 

Q:妊娠中にポリフェノールをとり過ぎるのがよくないって本当?

妊娠中にポリフェノールをとり過ぎるとよくないと聞きました。

 

A:過剰摂取には注意が必要です。

チョコレートやコーヒー、ココア、緑茶などに多く含まれるポリフェノール。微量の摂取であれば、活性酸素を取り除き、酸化を抑える抗酸化物質として人体に有用な働きをするのですが、妊婦さんはとり過ぎに注意が必要です。

 

妊婦さんのポリフェノール摂取に関しては、妊娠中に過剰に摂取すると赤ちゃんの血管の一部(動脈管)が狭まったり閉鎖したりする「動脈管早期収縮(Premature Constriction of Ductus Arteriosus:PDCA)」を引き起こすおそれがある(※1)とわかってきました。

 

もともと胎児のPDCAを発症する原因として問題視されていたのは、非ステロイド系の抗炎症薬や抗うつ薬といった一部の薬に含まれる成分(※2)でした。これらの成分については摂取すると胎児にPDCAが発症すると確認されたことから、妊娠中の使用が制限されています。

 

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しかし、ポリフェノールに含まれるフラボノイドという成分がPDCAの発症に関わるという報告がありました。

 

日本でも、ポリフェノールを多く含むハーブティーを妊娠8ヶ月頃から毎日飲んでいたという妊婦さんから生まれた赤ちゃんにPDCAらしき心疾患が見つかった例が報告されています。その後無事に生まれたものの、NICU(新生児集中治療室)への一時入院を余儀なくされたそうです。胎児期のPDCAは胎児の心不全や新生児仮死の原因になることがあります。これらのことから妊娠中はポリフェノールを過剰に摂取しないよう気をつけたほうがよいといえます。

 

ポリフェノールを多く含む食品

ポリフェノール含有量が多い食品の例を挙げてみました。

  • チョコレート
  • ココア
  • 赤ワイン
  • 抹茶
  • 緑茶
  • コーヒー
  • ルイボスティーなどのハーブティー
  • ブルーベリー

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飲み物1杯あたりの摂取量でみると、コーヒーに含まれるポリフェノールの量が最も多く、300mg/杯となっています。現在のところ「1日○mg以上ポリフェノールを摂取するとPDCAのリスクが高まる」という明確な基準はありませんが、先述の報告によると1日に1,100~1,200mg以上のポリフェノールを摂取した場合、PDCAをきたすリスクがあると考えられます。

 

またノンカフェインであることから妊婦さんに人気のルイボスティーも、ポリフェノール含有量が多い飲料です。妊娠中、とくに妊娠後期(妊娠8ヶ月以降)の飲み過ぎには注意しましょう。

 

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摂取をやめれば改善 気にしすぎは禁物

一方で妊娠初期にイソフラボンの摂取量が不足すると、胎児に尿道下裂などの外性器の異常が起こるという報告(※3)もあります。イソフラボンはポリフェノールの一種です。したがってポリフェノールはとり過ぎても少な過ぎてもいけないということになります。ほどよいバランスを保つのは、なかなか大変ですね。

 

なおPDCAについてはポリフェノールの摂取をやめて2週間ほどすると、血管の収縮が改善すると報告されています。ちょっと摂取量が増えたなと感じた時は、その後とらないようにするなどして調整するとよいでしょう。過度に気に病んで、自分を責めないようにしてください。

 

「妊娠中のコーヒーは1日1~2杯程度に」
「ハーブティーを買う時はポリフェノールの含有をチェックする」
「カカオ含有量の多いチョコレートの食べ過ぎに注意する」

 

などに、気を配りながら過ごすとよいでしょう。

 

妊娠中に意識して摂りたい食材・栄養素

 

※1 Zielinski P et al. J Perinatol 2012
※2 解熱・鎮痛・抗炎症薬に含まれるインドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、アスピリンなど。これらの成分は「妊娠中は投与すべきではない」「妊娠後期は投与を控えるべき」とされています。
※3 Isoflavone Intake in Early Pregnancy and Hypospadias in the Japan Environmentand Children's Study (Urology/Volume 124, February 2019, Pages 229-236)

Profile 【監修】諸隈誠一先生

日本赤ちゃん学会理事/医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授
1996年九州大学医学部医学科卒業。2006年4月より九州大学病院助教、2010年6月より同大学病院産科婦人科特任准教授、2011年1月より同大学環境発達医学研究センター特任准教授、2018年4月、同大学大学院医学研究院保健学部門教授に就任し、現在に至る。

 

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