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抱っこひも選びで大切にしたい4つの“S”

妊婦さんを招いて都内のストッケ ショールームで開催されたイベント。講師は助産師であり日本コンディショニング協会のトレーナーとしてベビーコンディショニングを提唱する浅井貴子先生。先生が妊婦さんに伝えたい、抱っこひも選びのポイントである「4つの“S”」をご紹介します。

1: Straighten up=正しい姿勢を保つこと

人間の赤ちゃんはほかの動物に比べて未熟な体で産まれ、お腹から出たあともさまざまな部位が発達していきます。だいたいの赤ちゃんが3〜4ヶ月で首が座り、6〜7ヶ月で腰が座ることからわかるように、0歳児 の中枢(背骨や骨盤回り)が完成していく大切な時期。骨格の基盤となる部分が完成していきます。

だからこそ、抱っこ時の赤ちゃんの姿勢に着目を。とくに骨盤の向きが重要です。日本人は骨盤が後ろに傾いた「後傾」になりがちなのですが、正しい向きは尾てい骨や恥骨が地面に対して垂直になる「ニュートラル」です。赤ちゃんがその状態で抱っこされる形の抱っこひも選びがおすすめ。骨盤がニュートラルであれば、背筋もまっすぐに伸び、良い姿勢が保たれます。

画像:赤ちゃんの骨盤の向きが、上は後傾、下はニュートラルの状態です。

2: Support=成長をサポートすること

ベビーコンディショニングは、まだしっかりと体を動かすことができない赤ちゃんの“筋肉の癖”を整えることで、体の成長を正しくサポートするためのメソッドです。とくに赤ちゃんの場合は「向き癖」に注意したいところ。赤ちゃんの頭蓋骨はとても柔らかいうえ、新生児は体重の1/3(3キロの赤ちゃんなら1キロ)もある重い部位なため、簡単に向き癖がついてしまいます。向き癖がつくと体全体の筋肉の使い方にも偏りが生じてしまい、背骨が湾曲したり、骨盤が歪んでしまう可能性も。1つ目のSでご紹介した骨盤の向きの正しさとともに、ヘッドサポートのしっかりした抱っこひもで向き癖を回避する抱っこひもを選びたいところです。

また、赤ちゃんの股関節脱臼を防げるかどうかも抱っこひも選びのポイント。日本ではあまり知られていませんが、股関節脱臼は生後6か月までの赤ちゃんの姿勢による影響も大きいのです。足がだらんと下に垂れる抱っこ姿勢は股関節まわりの成長にはNG。抱っこ時に、カエルの足のように膝がお尻よりも高い位置をキープできる姿勢になるかどうかもチェックしましょう。

画像:膝が股関節より上になっている様子(イベント参加者がマイキャリア体験時に撮影)

3: Safety=安全性

自治体の乳幼児健診や新生児訪問では、抱っこひもからの転落を心配するママたちの声が後を絶ちません。

靴を履いたり、落としたものを拾ったりして前かがみになっても赤ちゃんが転落することのないつくりかどうかは要チェック。

などがチェックポイントとなります。

4: Stress Free=ママやパパが快適に使えること

すくすくと成長する赤ちゃんは、日に日に重くなっていき、生後3か月で生まれたときの約2倍になります。成長がうれしい反面、抱っこ時のママやパパの体への負担はどんどん大きくなるもの。なるべくラクに抱っこできる設計であるかどうかもポイントです。

腰ベルトがウエスト位置にある抱っこひもであれば、腰痛を防ぎ産後でゆるんだ骨盤を圧迫しません。また、肩ベルトが肩峰(肩の骨の一番もりあがったところ)より外側にならない抱っこひもは、小柄なママやなで肩のママが使用してもずり落ちる心配がありません。

背中の上のほうでストラップを留めるタイプの抱っこひもがありますが、手が届かずに首の下あたりで留めている方を見かけます。首の下あたりではなく、肩甲骨の内側で重心を支えられるポイントがあるかどうかもチェックしましょう。これは、赤ちゃんの体重を支える場所として、その位置が適切なので、肩こりなどを防ぐことにもつながります。

浅井先生の画像(上):肩峰の位置
浅井先生の画像(下):肩甲骨の中心

体にフィットするサイズ感も大切です。パパとママが1つの抱っこひもを兼用する場合は、体格に合わせて調節できる仕組みになったものがおすすめです。それらを満たせば、抱っこする側もストレスフリー。長時間の抱っこも苦になりにくくなります。ママやパパがハッピーな気持ちで抱っこしてくれれば、赤ちゃんの気持ちも安定するもの。抱っこの快適さは、赤ちゃんのためでもあります。

すべてのSが備わった、
STOKKEのマイキャリア

よい抱っこひもとは「単なる移動のための袋ではなく、赤ちゃんの成長をサポートし、命を守るもの」。4つのSは、そんな観点であげています。そして、ストッケの製品すべてに通ずるスローガンは「子どもの目線を第一に考える」。
マイキャリアは人間工学に基づき、赤ちゃんの体や安全性にこだわりぬいた設計です。4つのSがすべて備わっています。赤ちゃんはママやパパの抱っこが大好き。安心して使える抱っこひもで、たくさん抱っこしてあげてください。

マイキャリアについて詳しくみる>

お話を伺ったのは

浅井貴子先生

助産師/日本コンディショニング協会トレーナー

新生児訪問指導歴約20年のキャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3ヶ月児の育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。ベビーマッサージや妊婦さん向けのセミナーの講師を多数務める。

浅井貴子先生 公式HP