この記事を監修したのは
諸隈誠一先生
医師、医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授/日本赤ちゃん学会理事
1996年九州大学医学部医学科卒業。2018年4月、同大学大学院医学研究院保健学部門教授に就任。
一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)
管理栄養士
全国約1000名の管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やヘルスケア事業に取り組む企業や法人の事業サポートやコンサルティング、管理栄養士の人材育成を行う。
先日(2020年3月11日)、CNNよりエノキダケを食べたことによるリステリア菌の感染が原因となり、4名が死亡・妊婦さん2名が流産したとのニュースが出ました。
米疾病対策センター(CDC)では、妊婦さんや高齢者に韓国産のエノキダケをしばらく食べないよう呼び掛けているとのこと。
日本国内の事故ではありませんが、エノキダケを食べることに不安がある妊婦さんもいらしゃるのではないでしょうか。そこで産科医の先生と管理栄養士さんに、リステリア菌感染や「エノキダケ」を食べることについてお話を伺いました。
妊婦さんはエノキダケを食べてはいけないの?
結論から言えば、十分に火を通したものであれば全く問題なく食べられます。
エノキダケには、ビタミンB群が豊富に含まれており、疲労回復にも役立ちます。十分に加熱をすれば、妊婦さんがエノキダケを食べることを控える必要はありません。また、最近は、乾燥したエノキダケもあるので、こうしたものを活用してもよいでしょう。
妊娠中は、エノキダケに限らず生ものをできるだけ食べない(よく火を通して食べる)ことが大切です。
妊婦さんは注意!リステリア感染症とは
今回の事故はエノキダケが問題であるわけではなく、生のまま食べた(熱を加えていなかった)ことが問題です。妊婦さんは「リステリア感染症」に日ごろから注意をしたほうが良いでしょう。厚労省のパンフレット*1によると
・妊娠中はリステリア菌に感染しやすい
・感染で赤ちゃんに影響が出ることがある
・リステリア菌は、冷蔵庫でも増殖する
・チーズ・生ハム・パテ・スモークサーモンが、リステリア食中毒の主な原因食品例である
・食品は期限内に食べ、十分に加熱をする
と、記載されています。
*1リステリアによる食中毒(厚労省)