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妊娠中の食事

【医師・管理栄養士監修】 妊娠中の飲み物:おすすめ4選 ・注意したい5選

この記事を監修したのは

諸隈誠一先生

医師、医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授/日本赤ちゃん学会理事

1996年九州大学医学部医学科卒業。2018年4月、同大学大学院医学研究院保健学部門教授に就任。

一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)

管理栄養士

全国約1000名の管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やヘルスケア事業に取り組む企業や法人の事業サポートやコンサルティング、管理栄養士の人材育成を行う。

 

【目次】

 

カフェイン・牛乳・ポリフェノールなど、妊娠中に飲んで良い飲み物、ダメな飲み物についてさまざまな情報があります。妊婦さんは混乱しがちですよね。医師・管理栄養士の監修のもと、妊婦さんにおすすめの飲み物と注意したい飲み物を整理しました。

 

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妊娠中におすすめの飲み物4選

妊婦さんの水分補給やリラックスに、おすすめの飲み物をご紹介します。

 

妊娠中におすすめの飲み物1:

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妊娠中は、身体の血液量が普段の40%も増え、水分が必要な状態。赤ちゃんを守る羊水も水分でできているため、水分が非常に大切です。妊婦さんは普段より汗をかきやすく喉も渇きがちですから、1日1.5~2リットルを目安に、こまめに水分を補給しましょう。

 

 

 

妊娠中におすすめの飲み物2:
炭酸水

ペリエなどの炭酸水は、妊娠中やつわりがあるときにも飲みやすい口当たり。レモンなどを入れてもおいしく飲めます。糖質の摂りすぎを避けるため、炭酸水は砂糖を含まないものを選ぶとよいでしょう。

 

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妊娠中におすすめの飲み物3:
牛乳

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お腹の赤ちゃんは成長に必要なカルシウムを胎盤を通して受け取り、骨や歯を作っています。カルシウムは、妊娠中にしっかり摂取したい栄養素の一つです。

 

手軽にカルシウムを補える飲み物といえば、やはり牛乳です。牛乳は「アレルゲン」として心配する妊婦さんもいらっしゃいますが、たしかに、かつて妊娠中に牛乳や卵などの摂取を控えるよう勧められたこともあります。しかし、近年では十分な根拠がないため、基本的には、「特定の食品の除去」は勧められていません。

 

 

妊娠中におすすめの飲み物4:
麦茶などノンカフェインのお茶

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ノンカフェインの飲み物の代表選手といえば、麦茶・そば茶です。なお、ほうじ茶やココアには少しですがカフェインが含まれています。

 

妊娠中に注意したい飲み物5選

妊娠中に注意が必要な飲み物や成分について解説します。

 

妊娠中に注意したい飲み物1:
ルイボスティー・ココア

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数年前までノンカフェインで妊婦さんにおすすめ!とされていたルイボスティーですが、妊娠中、とくに妊娠後期(妊娠8ヶ月以降)の飲み過ぎには注意が必要です。

 

ルイボスティーはポリフェノールを多く含んでいます。ポリフェノール摂取に関しては、妊娠中に過剰に摂取すると赤ちゃんの血管の一部(動脈管)が狭まったり閉鎖したりする「動脈管早期収縮(Premature Constriction of Ductus Arteriosus:PDCA)」を引き起こすおそれがある(※1)とわかってきました。

ルイボスティー以外にも、飲み物ではココアにポリフェノールが含まれているので、注意が必要です。

 

 

妊娠中に注意したい飲み物2:
コーヒー・紅茶・緑茶

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カフェインを含む、コーヒー・紅茶・緑茶も、妊娠中に注意したい飲み物です。たとえば、1日1杯程度でリラックスできるなら、我慢してイライラしてしまうよりもよいでしょう。逆に、飲むことで心配につながる場合はあまりおすすめできません。

 

コーヒーや紅茶のほか、身近なところではウーロン茶・ジャスミン茶・ココアなどにもカフェインが含まれています。コンビニで買えるペットボトルに含まれるカフェイン量の目安は以下の通りです。

 

【コンビニ飲料のカフェイン量目安】

※参考※コーヒー1杯のカフェイン含有量:100~150mg

  • ホット「ほうじ茶」ミニペットボトル
    約40mg/1本275mlあたり
  • 「ココア」缶入り 
    約20mg/1本275gあたり
  • 「緑茶」ペットボトル
    約85mg/1本500mlあたり
  • 「紅茶」ペットボトル
    約45mg/1本500mlあたり
  • 「ウーロン茶」ペットボトル
    約100mg/1本500mlあたり

 

 

 

 

妊娠中に注意したい飲み物3:
お酒・アルコール

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妊婦さんはできるだけ飲酒を避けましょう。アルコールの分子はとても小さいため、胎盤で留めることができず、お腹の赤ちゃんの血液に流れ込んでしまいます。

 

赤ちゃんはアルコールを代謝する能力が未発達なため、妊婦が大量にアルコールを摂取すると、赤ちゃんのからだの発育・頭(精神)の発育に大きな影響を与えるといわれており、「胎児性アルコール症候群」をはじめとする深刻な障害につながる場合もあります。〈※2〉

 

 

妊娠中に注意したい飲み物4:
ジュース

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ジュースは、妊娠中の身体に特別な影響がある飲み物ではありませんが、糖分の摂りすぎはおすすめできません。

 

フルーツの生ジュースも、ビタミンやミネラルが豊富な果物自体は、食生活に欠かせない食材ですが、果物には「果糖」という中性脂肪になりやすい糖分が含まれるので、摂りすぎには注意がやはり必要です。

 

妊娠中に注意したい飲み物5:
一部のハーブティー

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身体に優しいイメージのあるハーブティーですが、ハーブティーの種類や成分には、妊婦さんの身体に影響を与えるものを含む場合があります。1杯飲んだだけで影響が出るとは考えにくいですが、大量摂取には注意が必要です。わからない場合は、「マタニティ用」のハーブティーにするか、専門知識のあるかたに相談を。

 

 

カフェインレス・ノンカフェインの違いとは?

 

お店には、カフェインレス・ノンカフェイン・デカフェ、といろいろな表示の商品がありますが、言葉によって意味が異なります。

 

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◆カフェインレスとデカフェ
カフェインを含むお茶やコーヒーからカフェインを取り除いたもの。コーヒーであればカフェインを90%以上除去した場合のみ「カフェインレスコーヒー」と表示できる。「デカフェ」はフランス語で「カフェインレス」を表す言葉。使われ方も意味もカフェインレスとほぼ同じ

 

◆ノンカフェイン
カフェインを含まない原材料だけを使って作られたもの

 

カフェインをまったく含まないのは「ノンカフェイン」。「カフェインレス」と「デカフェ」は少なからずカフェインが含まれており、多ければ10%程度含むこともあります。妊婦さんは違いを覚えておきましょう。

 

妊婦さんにおすすめの飲み物と、注意したい飲み物を整理しました。妊娠中の身体にとって水分はとても大切。あまり神経質になりすぎて水分不足になってしまっては本末転倒ですので、いつもより少しだけ飲み物に気を付けて、水分をたっぷり摂りながら過ごしましょう。

 

※1 Zielinski P et al. J Perinatol 2012
※2 胎児性アルコール症候群 | e-ヘルスネット 情報提供https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-015.html

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