“痛みが無い”と表記される「無痛分娩」。 “痛い”のが好きな人は多くないでしょうから、“無痛”という表現だけを見ると魅力的に感じることでしょう。今回は「無痛分娩」について溢れる情報を整理し、ご紹介します。
「無痛分娩」は、「麻酔分娩」
「無痛分娩」は、「麻酔分娩」の一般的な呼名です。麻酔薬を使うことで陣痛を和らげるという医療行為で、現在は「局部麻酔」の中でも2つの方法が主流となっています。
アメリカやフランスなど日常での薬の服用がポピュラーな国では、麻酔分娩もポピュラーな選択肢となっています。ドイツやイギリスなどハーブティーやアロマセラピーが盛んな国では、麻酔を使う出産はポピュラーではありません。
■硬膜外麻酔
現在もっとも普及している方法。子宮口が5cm程度になったら脊髄の横、硬膜外腔にカテーテル(細いチューブ)を入れ、分娩監視装置で母子の状態を見ながら持続的に注入します。いきむ感覚(ベビーを押し出すための子宮の収縮)は残したまま痛みを和らげるため、母体がリラックスでき、スムーズなお産が可能だといわれています。また、万が一緊急を要する事態になった場合には、スムーズに帝王切開へ切り替えることができるそう。
副作用としては一時的な血圧の低下とそれに伴う頭痛や吐き気、またごくまれですが重篤な合併症が起こる可能性も。
■陰部神経ブロック法
産道~会陰部のみを麻痺させる方法。子宮口が全開大前後になった時点で、産道に直接注射をします。麻酔範囲が狭いため、いきみも分かりやすく、微弱陣痛を招きにくいのが特徴です。副作用も少ないとされています。
痛みが緩和されるのは、“ベビーが産まれる直前”のみなので、子宮口が全開大前後になるまでの陣痛は経験します。