産院の選び方

産院選びの基礎知識2 安心して出産するためにできること

 

ニンプスラボでは2018年11月に「産院選び」についてのアンケートを実施、産院を選んだ理由として多かったのは、1.家から近い(60.2%)2.病院・病室がきれい(25.9%)3.安心感がある(21.7%)という結果に。

産院選びは妊娠がわかったら早めにと言われますが、1~2回の受診で安心できる産院を選ぶのはなかなか難しいものですよね。

そこで今回は、出産ジャーナリストとして数々の産院・たくさんの妊婦さんを見つめてきた河合蘭さんに、安心して出産するために知っておきたい産院選びのコツを教えていただきました。

 

はじめに
産院が選べないケースが増えている?

 

出産できる施設が減っている

いま、日本では産院の減少が深刻な問題に。
家の近くに出産できる施設がなく、出産予定日が近づいたら産院のある都市に滞在したり、早めに入院する「宿泊分娩」をせざるをえない地域もあるほどです。

 

ハイリスクな妊婦さんが増えている

女性が第一子を出産する年齢の全国平均は30.7歳。(2017年の人口動態調査より)
出産年齢が高くなっている一方で、妊娠中も仕事が忙しい女性が増えているいま、リスクの高い妊婦さんが増えています。もしも何かあったときに必要な医療が受けられるように、自分のリスクに合った病院を選ぶことが、まず大切です。

年齢や生活習慣などから、妊娠のリスクをセルフチェックできます>>

 

記事の後半では、さまざまな事情で産院が選べない場合にもきっと役立つ、医師や助産師さんと安心や信頼を築いていくコツにもふれていますので、ぜひお読みください。
 

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コツ1
初診の前に下調べを

 

妊娠するまで、産婦人科にはあまり縁がなかったという方もいるのでは。最初の妊娠判定はとりいそぎ受け、出産の扱いがない病院だったので転院したという方も多いようです。

でも、いまは妊娠初期のうちに分娩予約がいっぱいになってしまう産院も少なくありません。初診をふくめて最初の数回の妊婦健診が、産院選びには大切な期間になります。

できれば事前に下調べをして、よさそうと思う産院へ行ってみるのがおすすめです。日ごろから子宮頸がん検査など婦人科の定期検診を受けている人は地域の産婦人科の様子が分かり、目星がついているかもしれませんね。

 

Webサイトでチェックしたいポイント

まずは、通える範囲にどんな産院があるかを検索。産院のサイトをみるとき「ごあいさつ」や「スタッフ紹介」などのページがあれば、ぜひチェックしてみてください。

外観や病室、食事なども気になると思いますが、大切なのはやっぱりそこで働いている「人」。どのような思いでお産に取り組んでいるのか、どんな勉強をしてきた医師かがわかると、安心できる産院選びに役立つはずです。

 

事前に電話で聞いてもOK

知りたいこと・わからないことがあれば、事前に電話で聞いてみるのもいいと思います。特にはじめての妊娠・出産では、聞きたいことがたくさんあるもの。ちょっとしたことを相談しやすい雰囲気かどうか、電話で話したときの印象もきっと産院選びを手伝ってくれるはずです。

たとえば、産院によってはリスクの高い妊婦さんは受け入れができない場合があります。ご自身の年齢や持病など不安があれば、電話で確認してみるといいかも。

また、妊娠初期にはあまりイメージできないかもしれませんが、産後の過ごし方も大切なポイントです。母乳育児をしたい人は、産院選びで母子同室かどうか、退院後も母乳の相談ができるかどうかなどを確かめないとあとで後悔することも。サイトに情報がないときは聞いてみましょう。

 

コツ2
コミュニケーションは積極的に

 

さて、いよいよ診察の日。最初は少し不安で、なんだかそわそわ。エコーで小さな赤ちゃんの姿を見たら、ほっとして聞きたいことを忘れてしまったという人もいますよね。

安心できる産院選びに欠かせないのが、医師や助産師さんとのコミュニケーションです。ささやかな質問でも気にせずに。知りたいことを聞けて、答えてもらえる、そのときの感触が「ここに通いたい」と思う安心感の根っこになることもあります。

 

医師に質問しやすいのはいつ?

一般的な妊婦健診の流れは、受付をしてからまず検尿。看護師さんや助産師さんに呼ばれて体重や血圧測定などをすませて、診察室での医師の問診。それからエコー、最後にまた問診…という流れです。

妊婦さん&赤ちゃんの状態を一通り確認し終わったエコーの後は、質問にちょうどいいタイミング。忙しそうな医師でも、はっきりと「ちょっとお聞きしていいですか」と一声かければ、「どうぞ」と言ってくれるはずです。

 

助産師さんたちはいきいきしている?

お産のときに一緒にいてくれて、こまやかに面倒をみてくれるのは助産師さんです。体重管理や産後の母子同室、母乳育児などについてはおもに助産師さんが指導することで、産院によっては助産師さんとゆっくり話せる「助産師外来」や保健指導の時間が設けられています。助産師さんがいきいきとしている産院は、安心できそうです。

 

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さいごに
安心や信頼は築くことができる

 

さまざまな事情で産院が選べない人も、がっかりせずに。安心や信頼は築いていくことができます。

 

あきらめずに時間をかけて

ときには、コミュニケーションがとりにくいと感じる医師や助産師さんに出会うこともあります。そんなときも、近くに誰かあなたの気持ちをわかってくれる産院スタッフがいるかもしれません。

それに、妊娠期間はまだまだあります。健診に通ううちに心が通じ合う瞬間があるかもしれないし、両親学級やヨガ教室のようなクラスが開かれていたら積極的に参加しまししょう。その産院の違う面が見えてくるかもしれないし、通院している他の妊婦さんとコミュニケーションがとれます。

 

できることを見つけていこう

もうひとつ、リスクの高い妊婦さんへ。あなたの赤ちゃんの安全を守るために、快適さや心のケアは優先順位が下がってしまうことがあります。でもそれは、妊婦さんと赤ちゃんの救命が最優先だから。

でも、人は限られた環境の中でもなにかしらの選択ができたり、気持ちを理解してもらえるだけで前向きになれるものです。常に説明してもらいましょう。緊急帝王切開などでは無理なこともありますが、その場合は産後に説明してもらいましょう。

 

二か所以上利用するという方法もある

病院によっては、「オープンシステム」といって妊婦健診は近くのクリニックで受けられることがあります。

また、産後に育児や母乳の相談ができない産院で産むときは、助産院を利用するのもおすすめ。デイ・ケアや宿泊ができる産後ケア施設もあり、自治体によっては費用の補助があって安価に利用できます。

 

あきらめずに、どうか安心できる場所で出産のときを迎えられますように。

 

 

監修

河合 蘭さん

 

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1980年代から出産、不妊治療、新生児医療を追い続けてきた出産専門のフリージャーナリスト。

著書は『卵子老化の真実』(文春新書)、『未妊-「産む」と決められない』(NHK出版)他多数。『出生前診断-出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』(朝日新書)で2016年科学ジャーナリスト賞を受賞。

国立大学法人東京医科歯科大学、日本赤十字社助産師学校の非常勤講師。NPO法人日本助産評価機構評価委員。

 

  yamami

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