産院の選び方

産院選びの基礎知識1 出産リスクにあわせた産院の選び方

妊娠がわかったら早めに考えたいのが、「どこで出産するか」です。

産院を選ぶとき、気になるのはどんなことでしょう。家から通いやすいところ、きれいで快適なところ、安心感のあるところ…。

ニンプスラボのアンケートでは、そんな声が多く集まりました。

【ママの本音アンケート】後悔しない「産院選び」のポイント>>

 

そこで今回は、安心して赤ちゃんを産める産院を選ぶために、妊婦さん一人ひとりに知ってほしい妊娠・出産のリスクと、それに応じた産院の選び方を解説します。

 

妊娠・出産のリスクとは?

年齢のほか、出産経験や身長・体重もリスク因子に

妊娠・出産で特に注意が必要なのは、もともと高血圧症や心血管疾患など持病がある方。でも実はそれ以外にも、出産時の年齢が高い(35歳以上)、初産、身長が低い、肥満なども妊娠・出産のリスク因子となります。また、飲酒や喫煙も影響が。

 

セルフチェックができます

厚生労働省の研究で、「妊娠リスクスコア」が発表されていますので、ぜひ一度セルフチェックをしてみませんか。質問に答えていくだけで、例えば初産なら1点、身長が150cm未満なら1点というように、リスクを点数化することができます。

 

あなたのリスクは何点?「妊娠初期リスクスコア」>>
このリスクスコアは「厚生労働科学研究費補助金医療技術評価総合研究事業 ” 産科領域における安全対策に関する研究” 」(主任研究者中林正雄先生 2004年)で発表されたものに基づいています。

 

リスクにあわせた産院の選び方

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ハイリスク妊娠であれば、大きな病院へ

もし、あなたのリスクが0~1点であれば、今のところ大きな問題はなし。
リスクが2~3点ならば、「ハイリスク妊娠に対応できる病院と密接に連携している病院」、4点以上ならば「ハイリスク妊娠に対応できる大きな病院」を選ぶのが望ましいとされています。

 

では、「ハイリスク妊娠に対応できる病院」はどのように選べばいいのでしょう?
知っておきたいのが、高度な医療を必要な人にスムーズに届けるための「医療連携」です。

 

かかりつけ医から紹介状をもらうのがスムーズ

初期診療は地域の産婦人科クリニック等(一次医療機関)で受け、必要に応じて入院治療ができる大きな病院(二次医療機関)や、赤ちゃんとママの集中治療が行える周産期医療センターなど(三次医療機関)へ紹介されるしくみ。

 

大きな病院での出産を考えている方も、まずは近くのクリニック等で相談し、一人ひとりのリスクにあわせて、対応できる病院への紹介状をもらうのが基本的な流れです。持病のある人は主治医に相談を。

 

 

産院選びのQ&A

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産院選びについての気がかりにQ&Aスタイルでお答えします。

 

Q:リスクがある人は、小さい産院は選べない?

高齢初産とリスクがあるものの、近くに評判の産院があり、そこで産めたらと思っています。でも、大きい病院を紹介してもらうことになるでしょうか?

A:リスクによっては受け入れができる場合も

一次医療機関とひとくちに言っても、医師が一人の診療所もあれば、比較的大きな病院までいろいろあります。産院によって、また妊婦さんのリスクによっては、受け入れができる場合も。まずは相談してみてください。

 

 

Q:リスクがなくても、大きい病院のほうが安心?

クリニックなどの小さな産院を選ぶときのポイントはありますか? できるだけ大きな病院のほうが安心でしょうか。

A:もしものときの連携がしっかりしていれば、心配しすぎなくてOK

日本のお産の50%を支えているのが、一次医療機関にあたる小さな産院。大きなリスクのない妊婦さんであれば、あまり心配しなくても大丈夫です。

とはいえ、今は問題がなくても、妊娠後期になると赤ちゃんに心配が見つかることが。もしものときに連携する大きな病院はどこかを、確認しておくと安心です。
逆に、もしものときの対応がはっきりしない産院は、避けたほうがいいかも。
 

 

Q:産院をかえるとき、紹介状は必要?

産院を変えたいと思っていますが、言い出しにくいです。無断で移るのはよくないですか。

A:妊娠の時期にもよるけれど、あるとスムーズ

基本的には、妊娠の経過がわかる紹介状はあったほうが安心。でも、ごく妊娠初期に一次医療機関から一次医療機関へ移るのであれば、必要ないケースもあります。転院先に確認してみては。
大きな病院に移るときは、紹介状があったほうがスムーズです。

 

 

Q:産院への距離は、どのくらいまでOK?

あまり遠いと、出産のときに間に合わなかったらどうしようと心配です。

A:1時間半~2時間くらいまでなら大丈夫

出産できる場所が減っている地域では、遠くの産院まで健診に通う妊婦さんもいるでしょう。1~2時間であれば、通常は、陣痛がきてから産院まで間に合わないという心配はしなくても大丈夫です。一度、相談してみたら安心かも。

 

 

Q:里帰り出産の産院選びはいつまで?

里帰り出産をするか迷っています。いつ頃までに産院を決めればいいでしょうか。

A:妊娠がわかったらすぐ確認を

出産できる施設は全国的に少なくなっているので、里帰り出産は受け入れが難しい地域もあります。ただし、里帰り先によって大きく事情が異なるので、妊娠がわかったら早めに地元の産院に確認を。

 

安心して赤ちゃんを産むために大切なリスクにあわせた産院選び。まずは自分のリスクをチェックしてみることからはじめてみませんか。

 

 

取材・監修

諸隈誠一先生

医学博士。九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授。九州大学病院 産科婦人科 併任講師。日本赤ちゃん学会 理事。

 


初期妊娠リスクスコア

 

1.あなたがお産をするときの年齢は何歳ですか?

16-34歳:0点

​35-39歳:1点

15歳以下:1点

40歳以上:5点

□点

 

2.これまでにお産をしたことがありますか?

はい:0点

いいえ:1点

□点

 

3.身長は150cm以上ですか?

はい:0点

いいえ:1点

□点

 

4.妊娠前の体重は何kgですか?

65kg未満:0点

65-79kg:1点

80-99kg:2点

100kg以上:5点

□点

 

5.タバコを1日20本以上吸いますか?

いいえ:0点

はい:1点

□点

 

6.毎日お酒を飲みますか?

いいえ:0点

はい:1点

□点

 

7.向精神薬を使用していますか?

いいえ:0点

はい:2点

□点

 

8.これまでに下記事項にあてはまればチェックしてください

( )高血圧があるが薬は服用していない

( )先天性股関節脱臼

( )子宮がん検診での異常(クラスⅢb 以上)があるといわれた

( )肝炎

( )心臓病があるが、激しい運動をしなければ問題ない

( )甲状腺疾患があるが症状はない

( )糖尿病があるが薬は服用も注射もしていない

( )風疹の抗体がない

 *チェック数×1点=□点

 

9.これまでに下記事項にあてはまればチェックしてください

( )甲状腺疾患があり管理不良

( )SLE

( )慢性腎炎

( )精神神経疾患

( )気管支喘息

( )血液疾患

( )てんかん

( )Rh 陰性

*チェック数×2点=□点

 

10.これまでに下記事項にあてはまればチェックしてください

( )高血圧で薬を服用している

( )心臓病があり、少しの運動でも苦しい

( )糖尿病でインスリンを注射している

( )抗リン脂質抗体症候群といわれた

( )HIV 陽性

*チェック数×5 点=□点

 

11.これまでに下記事項にあてはまればチェックしてください

( )子宮筋腫

( )子宮膣部の円錐切除術後

前回妊娠時に

( )妊娠高血圧症候群軽症
 (血圧が 140/90 以上 160/110 未満)

( )産後出血多量(500ml 以上)

( )巨大児(4kg 以上)

*チェック数×1 点=□点

 

12これまでに下記事項にあてはまればチェックしてください

( )巨大子宮筋腫

( )子宮手術後

( )2 回以上の自然流産

( )帝王切開

( )早産

( )死産

( )新生児死亡

( )児の大きな奇形

( )2500g 未満の児の出産

*チェック数×2 点=□点

 

13.これまでに下記事項にあてはまればチェックしてください

前回妊娠が

( )妊娠高血圧症候群重症
  (血圧が 160/110 以上)

( )常位胎盤早期剥離

*チェック数×5 点=□点

 

14.今回不妊治療は受けましたか?

いいえ:0 点

排卵誘発剤の注射:1点

体外受精:2点

□点

15.今回の妊娠は

予定日不明妊娠:1点

減数手術を受けた:1点

長期不妊治療後の妊娠:2点

□点

 

16.今回の妊婦健診について

28 週以後の初診:1点

分娩時が初診:2点

□点

 

17.赤ちゃんに染色体異常があるといわれていますか?

いわれていない:0点

疑いがある:1点

異常が確定している:2点

□点

 

18.妊娠初期検査で異常があるといわれていますか?

B型肝炎陽性:1点

性感染症(梅毒、淋病、外陰ヘルペス、クラミジア)の治療中:2点

□点

 

1~18の点数を合計してください

0~1点:現在のところ大きな問題はなく心配はいりません


2~3点:ハイリスク妊娠に対応可能な病院と密接に連携している施設での妊婦健診、分娩を考慮してください


4点以上:ハイリスク妊娠に対応可能な病院での妊婦健診、分娩を考慮してください

 

*医学的に不明な点や、適切な医療機関の情報等については主治医にお尋ね下さい。

 

このリスクスコアは「厚生労働科学研究費補助金医療技術評価総合研究事業 ” 産科領域における安全対策に関する研究” 」(主任研究者中林正雄先生 2004年)で発表されたものに基づいています。

  yamami

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