この記事を監修したのは
浅井貴子先生
助産師/マタニティアロマセラピスト
大学病院、未熟児センター勤務を経て、現在は母親学級、育児相談、新生児訪問などを行う。妊婦さん向けのプレママ★アロマ教室を長年開講し産前、産後のアロマケアに定評。助産師のメディカル知識を活かした妊婦水泳&マタニティアクアビクスの専門家でもある。
植物の力で心と体のケア「アロマテラピー」
ストレスや生活習慣の乱れも多い現代において、その効果が注目されているアロマ&ハーブ。植物の有効成分がおだやかに体に作用するので、妊娠中のホームケアにもぴったりです。
アロマテラピーの主役、精油の選び方
植物の香りで心と体を癒やすアロマテラピーには、植物の有効成分を凝縮した精油(エッセンシャルオイル)を使います。
精油選びは、合成香料などの混ざっていない100%ピュア&ナチュラルなものであることが絶対条件。「アロマオイル」「ポプリオイル」と記載されているものは精油(エッセンシャルオイル)ではないので注意しましょう。
また、妊娠中は使用を控えたほうがよい精油もあります。初心者の場合はスタッフのアドバイスが受けられ、豊富な種類から目的にあった精油を選べる専門店での購入がおすすめです。
(社)日本アロマ環境協会認定の精油ブランド
- 生活の木
世界40ヶ国の提携農園から厳選した精油や有機ハーブを直輸入。全国に支店があり、通販も可能。
- アロマブルーム
産地を厳選して、品質にこだわったリラクゼーション専門店ならではの精油がそろう。
- ニールズヤード レメディーズ
イギリスの老舗ブランド。英国土壌協会のオーガニック認定を受けている精油も多数そろう。
オフィスや車内でも手軽に「芳香浴」
手軽にできるアロマテラピーとして、精油を空気中に拡散させて香りを楽しむ芳香浴があります。市販のディフュザーやアロマライトを使う方法もありますが、身近なものを使ってオフィスや移動中の車内で楽しめる方法をご紹介します。
■マグカップを使って
マグカップに60~80℃のお湯を8分目まで入れ、精油を1~2滴落とします。精油が温められて香りが拡散しますが、その効果は比較的狭く短いため、オフィスでの芳香浴にもぴったりです。
マグカップはできれば専用のものを用意して、もし飲用にも使う場合はよく洗いましょう。
■ハンカチやティッシュペーパーを使って
ハンカチやティシュペーパーに精油を1~2滴落とし、鼻を近づけてゆっくりと深呼吸。これなら電車などで移動中にもできます。精油がシミになることがあるため、ハンカチは汚れてもいいものを選んで。
*妊娠6ヶ月までは精油の使用は芳香浴のみにしましょう。皮膚からも精油の成分を吸収するアロマバスやアロマトリートメントは妊娠6ヶ月以降にし、精油の使用量は標準的な成人の1/2量を目安にします。
精油よりもおだやかな効きめ「ハーブ」
ハーブも、植物の有効成分を体に取り入れることができる植物療法の一種です。精油よりも働きがおだやかなため、精油が使えない時期にはハーブを使った方法がおすすめです。
ハーブの使い方
ハーブをお湯に浸し成分を抽出するハーブティーなら、手軽にハーブの有効成分を取り入れることができます。
植物の有効成分には水溶性と脂溶性のものがあり、ハーブからは精油には含まれていない水溶性のビタミンやミネラル、食物繊維などを取り入れることができます。
カフェインを含まないものも多いので、妊娠中や睡眠前でも安心して飲むことができます。 また、フレッシュハーブやドライハーブ、天然塩にハーブを加えたバスソルトを浴槽に入れて楽しむハ―バルバスも、手軽にハーブの有効成分を皮膚から吸収できます。
妊娠中におすすめのハーブティー
妊娠中に不足しがちな栄養を補えるハーブをご紹介します。
- ネトル:鉄分などのミネラル、ビタミンCや葉酸も豊富。貧血予防にぴったり。
- ローズヒップ:ビタミンを豊富に含みます。出産後の母体の回復にもおすすめ。
- ラズベリーリーフ:骨盤周りの筋肉を正常化する働きをします。出産を控えた妊娠9ヶ月からおすすめ。
*体にやさしいハーブティーですが、一日に大量に飲んだり、長期間同じハーブティーを飲み続けるのは避けましょう。
【注意】
精油・ハーブは薬ではありません。体の不調が改善しない場合は無理をせず、医師に相談をしてください。 また、妊娠中や産後の体はとても敏感です。持病や体の不安がある方は使用前に必ず医師に相談してください。