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妊娠・出産基礎知識

産科医が教える、超音波写真の見方

この記事を監修したのは

竹内正人先生

医師(産科医)

地域、国、そして医療の枠を越えて、さまざまな取り組みを展開する行動派産科医。妊娠、出産などに関する著書多数。妊婦さんから絶大な支持を得ている。
https://www.facebook.com/mdtake

 

超音波写真はお腹にいるベビーの成長記録。ベビーの大きさや様子がわかれば、成長を実感できるとともに安心!

 

メジャーな「超音波写真」は断面を映した2D写真

いわゆる「超音波写真」といわれているものは白黒の2D(2次元)超音波写真。子宮やベビーの断面を映し出し、発育状況をチェックするのに適しています。
超音波を反射しやすい硬い部分は白く写り、反対にやわらかい部分は反射しにくいので黒く写るのが特徴。 背骨や頭蓋骨などの骨は白く、羊水や心臓、血液などは黒く写ります。

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↑こちらが「2D超音波写真」。産院の器械によって多少の違いがあります。

 

2Dの情報をコンピューターで処理し、立体的に映し出す3D(3次元)超音波写真、さらに動画として見られる4D(4次元)もあります。 3D・4Dはベビーの顔や体、しぐさがわかりやすいので、産院によってはDVDに録画してもらえるサービスを行っている所も。

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リンゴのような形のマークは何?

超音波写真には、「プローブ」と呼ばれる器具を当てた断面図が映し出されます。プローブには2種類あり、妊娠初期に使われる膣に挿入して撮影する「経膣プローブ」の場合はリンゴのようなマークが表示されることがあります(写真左)。妊娠中期以降はお腹にジェルを塗ってプローブをあてて撮影する「経腹プローブ」方式で、お腹のイラスト(写真右)が目印です。

 

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気になる赤ちゃんのサイズは?

サイズを示すアルファベットが表す場所を解説します。数値の単位はすべてmm。妊娠週数によって、測るところが変わるので、すべてが埋まることはありません。

BPD・・・頭の横幅。妊娠週数や推定体重を算出するために必要な数値です。
APTD・・・お腹の「前後」でいちばん広いところの厚み。
TTD・・・お腹の「左右」でいちばん広いところの幅。
FL・・・太もものつけ根から膝までの長さ。
CRL・・・頭の先からお尻までの長さ。8~10週前後では個人差がないので、この数値から妊娠週数や出産予定日を算出します。

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AFI・・・羊水の量を表す指数。羊水過多などの診断に用いられます。
GS・・・妊娠初期に見える胎嚢(ベビーが入っている袋)の大きさ。胎嚢は楕円形なので長いほうの数値。

 

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↑こちらは妊娠11週の超音波写真の例。CRL=42.0なので、頭からお尻までが42mmです。

 

妊娠週数と出産予定日もわかる!?

測定したサイズをもとに、妊娠週数と出産予定日を算出します。

AGE・・・測定サイズから推定される妊娠週数。 「w」はweekで何週か、「d」はdayで何日かを表しています。

EDC/DEL・・・AGEから算出される出産予定日。予定日は妊娠11週までのCRLで決定されますが、週数が進むと大きさに個人差がでてくるので、この表示は毎回かわります。ただし、実際の予定日はかわりません。

 

【気になるQ&A】


Q 超音波は胎児にあまりよくないのでは?
A 超音波の波は非常に弱く、装置の安全性はしっかり確認されています。

Q 超音波写真を見れば性別がわかりますか?
A 外性器が目立つようになる16週ごろから、角度によって超音波写真に外性器が写ることがあります。横から見ると、外陰部の突起が男性器は上向き、女性器は下向きになっていることが多いでしょう。
 

赤ちゃんのようす

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