この記事を監修したのは
赤木かん子先生
児童文学評論家
1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介・書評などで活躍している
絵本の読み聞かせをするときに参考にしていただきたい、一般的な年令別の特徴をあげてみました。あくまでも目安です。幼児期の成長は、個人差が激しいです。発達の早い子も、ゆっくりの子も、それぞれの個性です。長いスパンで見れば、どの子も、確実に成長しています。
その過程の一つ一つを、楽しみながら見届けていきましょう。
1歳半~2歳半ころはこんな感じ
2歳児(1歳半~2歳半ころ)=絵本を開く楽しみが定着してきます。
・しっかり歩けるようになって、行動範囲が広がります。
・生活の中で、一人でできることが多くなり、「自分でする!一人でする」と主張します
・思い通りにできなかったり、伝わらなかったりすると、かんしゃくを起すこともあります
・単語がどんどん増えて、日常会話が楽しくなってきます
・子ども同士で、簡単な会話ができるようになります
・色がいえたり、数を数えたりが楽しくなります
・好き嫌いがはっきりしてきて、お気に入りの本は何度も、くりかえしをせがみます
・日常生活の中に、読んでもらった絵本の言葉が出てきて、驚かされることがあります。
・食事、しつけ、歯磨き、トイレなど、日常生活のことを絵本で教えられるようになります
2歳半~3歳半ころはこんな感じ
3歳児(2歳半~3歳半ころ)=絵本を読んでもらい、より広い世界にであいます。
・生活の広がりとともに、知らない世界のものにも興味を示すようになります
・反抗期に入り、だめ!いや!などの言葉が多くなります
・想像力が発達してきて、ごっこ遊びができるようになります
・好奇心が旺盛になり、どうして?なんで?の言葉が増えてきます
・いろいろなテーマの本を読み聞かせしてもらいながら、世界を広げていきます
・絵本で覚えた料理や遊びなどを、実生活で試そうとします
・絵本の中のことが、楽しいとかおもしろいと実感できるようになります
・自分の経験や体験とかぶる内容の絵本は、とくに関心をもって見るようになります
・好みがはっきりしてきて、本選びにも個性が見えてきます
3歳半~4歳半ころはこんな感じ
4歳児(3歳半~4歳半)=長いお話も聞けるようになります。
・言葉の使い分けが上達し、気持ちを的確に伝えられるようになります
・自分の好きなお話だと、長くても最後まで飽きずに聞けるようになります
・季節や行事の本にも関心を示すようになります
・長めの昔話の本も読んであげられるようになります
・子どもによっては、文字に興味を持つ子も出てきます
・文字が読めても、文の意味を理解することは困難で、まだまだ読んでもらいたがります。
・お友達同士で同じ本を楽しむことができます
・想像力が豊かになり、登場人物に共感したり、気持ちを察したりできるようになります
・読んでもらった経験をもとに、ストーリーを予測しながらお話を楽しめるようになります