この記事を監修したのは
赤木かん子先生
児童文学評論家
1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介・書評などで活躍している
あらすじ…
カンガルーのぼうやがママに尋ねます。もしもぼくがりんごの木になっちゃったら、それでもママはかわいいと思う?ママの答えは…。
愛することって…?
子どもがママに、自分をどれだけ愛してくれているのか確かめるお話です。
もちろん、大好きよっていってくれるのはわかってる……。でも、それをどきどきしながら聞きたいんですよね。そうして無上の幸福に包まれるの。
しかも、この『いつまでも好きでいてくれる?』に登場するママは、「僕が自転車になったら?」と尋ねるぼうやに「タイヤをふくらませて、ぼうやをどこまでも走らせてあげるわ」といってくれたり、「おほしさまになったら?」と聞けば「ぼうやのしあわせをお願いするわ」といってくれたりするひとなのです。
子どもを自分のものにしておこうとするのではなくて、子どもが幸福になるように、と願えるひとなのです。
本当に、小さな子どもを幸福にするのは難しいことではありません。
抱っこして、ぎゅっとして、大好きだよっていってやるだけで、子どもは幸福になるんですから。
でも実際小さな子の面倒をみるのはいうほど簡単なことじゃありません。
疲れてゆとりが無くなったら、何時間か離れてみてください。そうして落ち着いたらこういう絵本を思い出して読んでみてください。
絵本は格好の鎮静剤になりますよ。
『いつまでもすきでいてくれる?』
マーガレット・P. ブリッジズ/文 メリッサ スウィート/絵 まつかわ まゆみ /訳
評論社