この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
あらすじ…「しーん」とした世界に「もこもこ」「にょきにょき」とふしぎなものがあらわれて・・・。詩人と異色の画家がおりなすふしぎでおかしな世界。
ちょっと大げさに抑揚をつけて
得体の知れない色鮮やかな絵。文字は、もこもこ、にょきっ・・・音だけしかでてこない。うーん、一体どうやって読めば・・・?あらっ、でも、ちょっと表紙をよく見てみて。
「こ」の字だけちょっと上のほうに印刷してありますよ。だからこの字を、高い音で強調して読んでみては?文中の「しーん」はひたすら静かに、「ふんわふんわ」は思いっきり軽やかに。つまりちょっと大げさな感じにね。
赤ちゃんのやわらかな感性は、この絵本の世界を丸ごと受け止め、楽しみ、笑ってくれます。理屈で解釈する大人は、何がなんだかよくわかりませんが、大人がとうに失ってしまった能力が、赤ちゃんには確かにあるようです。
ふだんの生活の中でも、おもしろい音を見つけて、デタラメな言葉で赤ちゃんと遊んでみません?
楽しめばいいんですよ。
赤ちゃんがいてこそできる体験ですもの。
『もこ もこもこ』
谷川 俊太郎 作/元永 定正 絵/文研出版 1,365円(税込)