この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
くいしんぼうおばけのばけたくん。夜中にふらふらとやってきて、つまみぐいをしては??
おばけのこのばけたくんが次々変身?!
おばけは、子どもの想像力を最高にかき立てます。何といっても、決して見えるはずのないものを、絵本では、くっきりはっきり描いてみせているのですから。
くいしんぼうのおばけのこ『ばけたくん』が、夜中にこっそりつまみぐいをしていたら、あららら、食べたものに変身しちゃいました。でも、まだ子どもだから、ちゃんと変身できなくて、一部分だけというのが、なんともユーモラス。
ページの左半分が文字、右半分が絵という体裁なので、子どもは、文字にじゃまされず、絵に集中してお話を楽しむことができます。そんなわかりやすいところも、人気の秘密です。それよりも何よりも、子どもたちが大好きな、たべものとおばけがコラボする絵本です。どんな本に興味のない子でも、見てくれないわけがありません。
ばけたくんのピンチ脱出方法 見事です
色調は明るくポップ。おばけの子もたべものと一緒になってしまうと、かわいらしさいっぱい。文章は短く、擬音もふんだんに使われていて、ページをめくるタイミングで、ばけたくんが次々ばけていくので、本から目が離せません。
ばけたくんは、他にもシリーズになって出ています。どのお話も、つまみぐいが見つかりそうになって、ピンチを脱出するのですが、その切り抜け方が、「うーん、その手があったのか!」とうならせる見事さです。