この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
2歳児さんが、集中して絵を見るきっかけになる、たべものの言葉遊び絵本
1ページごと、じっくり見たい 擬人化が楽しい絵
『あ』から濁音、半濁音まで含めた69音すべてのたべものが登場します。
「あっちゃん あがつく あいすくりーむ」のように、文節の一音目を同じ音でそろえてあるので、声に出すと、とても調子がよく、子どもはすぐに暗記してしまいます。
でも、この本の魅力は、何といっても擬人化された絵です。『い』のページでは、ジャム瓶が、汗水たらし、食パンにジャムを塗っていて、あまり力が入りすぎるものだから、パンは倒れないように必死で踏ん張っていて、傍らでは、クラッカーが自分にも塗って!とアピールしている。その光景を、マーガリンケースがにこにこ眺めている。さらに、文字のページでは、イチゴの子たちが落書きの真っ最中。
「あいうえお」も楽しみながら覚えられそう!
こまごまと描き込まれたたべものの表情から、いろんなお話が聞こえてきそう。想像力をかき立てるのは、正に絵なのですね。見て楽しく、声に出して心地いい本を、子どもたちは飽きることなくくりかえします。
楽しんで見ているうち、「いつの間にか文字を覚えていた!」ということはあるかもしれません。さいとうしのぶさんの絵本、おいしい食べものがたくさん登場し、細々とした描き込みが楽しいので、子どもたちに人気です。