この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
あさごはんたべたあと、ぎゅっ ほんをよんだあと、ぎゅっ おさんぽしたあと、ぎゅっ うさぎのおやこがなんどもぎゅっとだきあいます。
親子でこころ温まる、ぎゅっのお話
これは、子どもへの接し方の、やわらかだけれどじつに説得力のある参考書です。
ママはうさぎの子を、1日何度も、「だいすき」といって、ぎゅっぎゅっ!と抱きしめます。そのたびに、うさぎの子は、うっとり満足そう。いったい、どんなときに抱きしめていたのでしょうか?
朝ごはんのお茶のあと、9時と10時、お家のなかで遊んだあと、お外で遊んだあと、夜寝るまえ。何していいかわからないときとおやすみのときでした。
うさぎの子が、何かに夢中になって遊んでいるときは、ママはしっかりお相手していることに気づくでしょう。つまり、抱っこは、ぽっかり空いた心のすきまを埋めるものだったのです。
抱っこには理由があるから たくさんぎゅっしてね
子どもは、素直に絵本から吸収します。この絵本を読んであげたら、間違いなく、いってきます。
「抱っこ~!」
どうぞ、そのタイミングをはずさないで、うさぎの子の“うっとり感”に浸らせてください。もちろん、絵本以外のときでも、
「抱っこ~!」
には、なるべく応えてあげてくださいね。子どもには、不安やさみしさなど、口では説明できない抱っこの理由があるはずですから。
パステルカラーの絵がやさしい気持ちを誘います。見返しの数字をアレンジしたイラストもカラフルでおしゃれです。デイヴィッド・ウォーカーは、現代アメリカを代表する絵本画家で、幼い子ども向けの絵本の絵を描いて人気です。