この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
元気にはたらいていたブルドーザーやショベルカーもそろそろ寝場所へ帰る時間。そっと目をとじ、ゆったり眠ろう。
のりものが大好きな子どもたちへ
好きな本を読んであげていると寝なくなって困るというのが、夜の読み聞かせを日課にしているご家庭の共通の悩みではないでしょうか? 作者のプロフィールによると、くるま好きの子どもたちの安らかな眠りと、つかれた親たちの幸せを願って作った本とあります。
これこそ、のりもの好きな子たちに、読み聞かせしながら、穏やかな眠りに誘える、待ちに待った絵本ですね。
工事現場ではたらくクレーン車、ミキサー車、ブルドーザー、ショベルカー、ダンプカーたち。どのくるまにも、さりげない表情がついていて、子どもは感情移入しやすいと思います。
子守歌のように心地よく眠れそう
日が暮れて、夜になっていくシーンの美しさには、うっとりします。夕焼けの輝きから、星のまたたく夜へと変わっていく中、くるまたちのまぶたも次第に閉じていきます。くるまに、子守り歌を聞かせるように「おやすみなさい」の言葉が、何度もくりかえされます。日中せいいっぱい働いたくるまたちはみんな、夜になったら、エンジンを止め眠りにつくのです。
だからいっしょに眠ろうね、という気持ちが、ゆるやかに伝わっていくことでしょう。
一日中元気に動き回って、好きなくるまたちといっしょ、おだやかなパパの声と、温もりの中で眠りにつけるのは、何と幸せなことでしょう。読み聞かせは、パパも子どもたちも、明日へのエネルギーを蓄えるひとときです。