この記事を監修したのは

加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
約400あるイソップのお話のなかから、『うさぎとかめ』『よくばりないぬ』など、代表的なもの9話が集められた絵本です。
4ページに1話 短いお話で読みやすい
絵は、スクラッチ技法といわれる、細かな“ひっかききず”で表現されていて、うさぎやきつねの毛の質感が見事に出ています。『よくばりないぬ』の肉をくわえたいぬの表情や、『ひつじかいとおおかみ』のひつじかいを飲み込んだおおかみの顔など、それぞれのお話のクライマックスシーンが、ダイナミックな構図で描かれていて、しっかり脳裏に焼き付きそうです。
裏表紙までまたがって大きく描かれたキツネが、トリックスターのように、本文のあちこちに出没して、絵を見る楽しみを持続させてくれます。
昔読んだお話を大人になって読むと…
文章はお手本のような美しい日本語で、お話がすーっと入ってきます。子どもには、おもしろく感じる、動物や人間たちの失敗は、大人になってみると、ちょっとほろ苦く感じるかもしれません。
子どものころに出会ったお話に、まためぐりあうことができ、その深意を理解できるのも、読み聞かせのひとときがあればこそです。子どもは、ストーリーを楽しみ、大人は意味を楽しむ、読み聞かせの時間に、2倍の価値が出てきますね。