この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
真夏のオオクヌギスタジアムにて、昆虫プロレスが始まります。戦うのは、カブトぐみとクワガタぐみ! オオクヌギの甘い木のしるをすえるのはどっちだ??
図鑑ずきも物語ずきも楽しめる!
虫のプロレス、略して『むしプロ』。おとこの子たちが大好きな2大昆虫のカブト虫とクワガタ虫が、夏の夜のプロレス大会で戦いをくりひろげる、虫好きには、たまらなく魅力的な絵本です。
虫好き!っていうママは少数派。子どもが好きとわかっていても、気持ち悪くて、読んであげられないというであれば、ここは、もうパパの出番です。
4才にもなると、興味や好みがはっきりしてきて、おとこの子の中にはとくに「図鑑しか見ない!」という子が多くなってきます。そんなとき、この本が、図鑑から物語への橋渡しをしてくれることでしょう。それくらい、登場する虫たちは、ネプチューンやヘラクレスまで、きっちり描かれていて、リアリティがあり、すんなりと、お話の世界に連れていってくれます。
衝撃のラストに注目‼
場面によって大きく変化するカメラアングル。見開きの大胆な構図。目に焼き付く力強い絵で、物語を引っ張ります。
2匹のカナブンの、テンポのよいプロレス中継も、臨場感にあふれていて、聞き逃せません。
ラストの、あっと驚く展開も、物語にふさわしいものです。子ども時代にタイムワープし、夜中の森のファンタジーを、親子で楽しんでください。
作者の山本孝さんは、『カイジュウゴッコ』(教育画劇)など、男の子を元気にする絵本で人気があります。