この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
あかにんじゃはまっかなにんじゃ。まっかな姿はとっても目立ってしまいます。あ、あぶない! ドロンドローンとにんじゃは変身!
あかにんじゃの変身にくぎづけ!
変身願望のある子どもたちに、何にでもなれる忍者は、人気があるようで、忍者がテーマの本が、たくさん出ています。忍者といえば、昔から、黒装束と決まっていますが、このお話に出てくるのは、なんと赤い忍者!
あたりまえですが、目立ちすぎて、追いかけられっぱなし。ピンチになるたびに変身するのですが、赤い蝶やカラスでは、見つけてくれというようなものです。しかし、どんな災難にあっても、赤にこだわり続けるところは、なかなかですね。
変身しながら、侍の時代から現代へ、そして、日本から世界まで、時間と空間を飛び越え、逃げ回ります。そのスケールの大きさを楽しめるのは、さらに年齢が上がってからでしょうか。
奇想天外、見事な結末
渋く落ち着いた絵は大人好みで、細かく見ていくと、星が手裏剣の形をしていたりして、思わぬところに、気付きがあったりするのです。
子どもには、この落ち着いた雰囲気が、かえって、心を静めて絵に見入る働きかけをしてくれるかもしれません。それと、ドロドローンという音ともに、ページがめくられるので、今度は何に変身するのかな?という期待感で、最後まで引っ張り、飽きさせることがありません。ラストは、赤がもっともふさわしい場所に収まって、お見事!です。