この記事を監修したのは
加藤美穂子先生
JPIC(財)出版文化産業振興財団読書アドバイザー
絵本の楽しみや読み聞かせの大切さを伝える。
《あらすじ》
なんかいおちても、はみだしても…。失敗してもいい。そこからはじまることもあるんです。
親も納得 失敗しても大丈夫
親子で使える人生哲学入門書といったらいいでしょうか。日常でよくある失敗の数々。そのたびに「平気、平気。落ち込むことなんかないよ!こんな風に考えればいいんだから」と、前向きなとらえ方を教えてくれます。
文章が短いので、時間があまり取れないパパが読んであげるには、おあつらえ向きです。ユニークなのは、
「ミルク こぼしてしもた」
「It`s okay if you spill your milk」
というように、大阪弁と英語が、並んで書かれていること。
せっかくなので、どうぞ、それらしい雰囲気が伝わるよう、読んであげてください。耳慣れない言葉は、言語の広がりの体験にもなるでしょう。
親子で元気がもらえる とっておきの1冊
大阪弁にしたことで、いい意味でのゆるやかさと、温かさも伝わってきます。それをさらに後押ししてくれるのが、明るくはっきりした、元気な色合いの絵です。
パパが、心をこめて読んであげれば、そのまま子どもへの力強いエールになりますよ。
「しっぱいはみんなする。そこからしゅっぱつ!」
「Everyone makes mistakes that`s how you learn!」
もちろん、そのエールは、読んであげているパパにも届くはずです。トッド・パールの絵本には、他に『ええやんそのままで』(解放出版社刊)『それでもへっちゃら』(フレーベル館刊)などがあり、いずれも、明るい絵と前向きな言葉で、親子まとめて元気にしてくれそうです。