この記事を監修したのは
赤木かん子先生
児童文学評論家
1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介・書評などで活躍している
《あらすじ》
一番ちいさなすえっこおおかみ。にいさんねえさんのように上手にころがったり、とびあがったりできず、木の幹にかくれていました。おおかみとうさんが声をかけると、すえっこおおかみは自分の悩みを話し始めます。それを聞いたおおかみとうさんは…。
話を聞き、ひたすら見守る やさしいとうさん
このおおかみとうさんには子どもが4人います。上の3人はもう大きいし、なんでも上手です。でも一番下のすえっこおおかみは、お兄さんたちがぐるぐるまあるくまわれるところを、斜めに転がっちゃうし、なにをしても同じようにはできません。
でも、しょげる末息子に、このとうさんは、「うーん、たしかにいまはできないな、いまは…。でもお前も、もう少し大きくなればできるようになるさ」とやさしくいうのです。
子どもが4人いたら、一人っ子が4人いるのと同じです。性格も強さもひとりひとり違います。このとうさんは末っ子に甘いわけではなく、ひとりひとりの性格にあわせているのです。