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赤ちゃんの絵本

【こころに残る1冊】 あまがさ

この記事を監修したのは

赤木かん子先生

児童文学評論家

1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介・書評などで活躍している

《あらすじ》
3歳のお誕生日に赤い長靴と雨傘をもらったモモ。うれしくて早く傘を差したいのですが、なかなか雨が降りません。そして、待ちに待った雨の日、傘をさしてモモは歩き出すのです。

 

美しい色彩と美しい響き

やしまたろう、というアメリカ在住だった、日本の画家をご存じですか?もしかして、たろうは知らなくても、息子のマコ岩松のことは映画がお好きだったらご存じかもしれません。マコ、はそのころまだめずらしかった日系の俳優で、日本人俳優が少なかった当時は日本人の役はたいていマコがやっていましたから。

やしまたろう、は戦争中特高に捕まり、拷問され、そのあとアメリカにいってしまった画家で、これは彼が娘を描いた1冊です。

もらった新しいあまがさがうれしくて、雨が降るのを心待ちにしている娘を見ている父親は、娘が生きて、幸福でいることへの喜びと驚きと感謝で満ち溢れています。やしまにとって、それは奇跡のように感じられたことだったでしょう。自分が生き延びて、こうして娘を見ていられるということは…。

という背景を知らなくても、この本は充分胸に迫ります。どの時代のどの国のどのお父さんにも、自分の娘が生きて、笑っている、ということは奇跡なのですから。

 

 

  ayako

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