この記事を監修したのは
赤木かん子先生
児童文学評論家
1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介・書評などで活躍している
《あらすじ》
おとうさんが出かけた後で、ちゅーちゃんはだいじなことを忘れたのにきがつきました。「とうちゃーん、まってー!」でも、おとうさんをおいかけているのはちゅーちゃんだけではありません…!
怒らない育児のお手本です
ねずみのとうさんは、しっかり戸締まりをして、ご飯を探しに出かけました。でもぼうやは、「あ、ちゅーし忘れた!」と思いだし、お父さんのあとを追いかけてしまいます。
外には危険がいっぱい! ねずみのとうさんは、ぼうやを見つけて卒倒しそうになりますが、この人は子どもを怒鳴りつけたりはしない人です。私だったら怒鳴っちゃうよ、と読みながら思いましたね。
坊やを連れて帰路につき、家で晩御飯を食べながら、やさしくおとうさんは一人ででかけちゃいけないことをぼうやに話します。
子どもの本は事件が具体的に語られ、具体的なセリフもつくので、自分と比べることが簡単にできます。「こういうときにはこういうやりかたもあるんだな」とか「こういえばいいんだ」ということがわかりやすいのです。絵本は大人にとってはわかりやすい育児書でもあるのです。