この記事を監修したのは
浅井貴子先生
助産師/マタニティアロマセラピスト
大学病院、未熟児センター勤務を経て、現在は母親学級、育児相談、新生児訪問などを行う。妊婦さん向けのプレママ★アロマ教室を長年開講し産前、産後のアロマケアに定評。助産師のメディカル知識を活かした妊婦水泳&マタニティアクアビクスの専門家でもある。
基本のつくりかた
まだ抵抗力の弱い赤ちゃんのために、ミルクは衛生面に注意して調乳することが大切です。粉ミルクの基本的な調乳方法をマスターしておきましょう。
1.洗って消毒した清潔なほ乳びんに粉ミルクを量って入れます。分量はミルクのパッケージで確認を。
【ポイント】
計量スプーンを使って“すりきり”で量ります。計量のいらない使い切りタイプもあります。
2.一度沸騰させた70度以上のお湯を、できあがり量の2/3程度まで入れます。
【ポイント】
衛生的に調乳するために、必ず一度沸騰させた70度以上のお湯を使います。
3.ほ乳びんにキャップとフードをつけて、軽くゆすってミルクを溶かします。
【ポイント】
フードをしないと熱いミルクが飛び出すおそれがあるので注意。ほ乳びんを回すようにゆすると泡が立ちにくいです。
4.できあがり量までお湯を足してできあがり。衛生的な湯冷ましや赤ちゃんのための純水を使えば冷ます必要はありません。流水や氷水などにさらして、人肌くらいに冷ましてから飲ませます。(腕の内側に数滴たらしてみて熱くないくらいが目安)
【ポイント】
お湯の量はミルクの泡の下で合わせます。湯冷ましを使うと、ミルクを冷ます時間を短縮できます。
使用後のほ乳びんは、しっかりと洗って清潔にしておきましょう。(ほ乳びんの洗い方はこちら→)
ミルク作りのQ&A
Q. ペットボトルの水は使えますか?
ミネラルウォーターの成分によっては、赤ちゃんの胃腸には負担になることが。特にミネラル成分の多い硬水はミルクには適していません。できるだけ硬度の低い軟水を選ぶようにしてください。ミルクには赤ちゃんに必要なミネラル成分が予め含まれているので、理想的なのは純水。赤ちゃん用のペットボトルも市販されています。
Q. ウォーターサーバーの水は使えますか?
ウォーターサーバーによって水の成分も装置もいろいろですが、中には赤ちゃんのミルクに使えるものもあります。
- できるだけミネラル分の低い水が使われている
- サーバーの衛生管理がしっかりしている
- 一度沸騰した70度以上のお湯がでる
などを確認して選ぶとよいでしょう。
Q. ミルクのつくり置きはできますか?
栄養たっぷりのミルクは雑菌が繁殖しやすいため、基本的にはつくり置きはできません。病院などではつくり置きをする場合は、必ず冷蔵庫に保管してあります。家庭の冷蔵庫では色々な食品があるので、おすすめしません。お出かけ先にもミルクとお湯を別々に持って行って赤ちゃんが飲むときに調乳します。飲み残しは捨てましょう。
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Q:夜の授乳間隔があいてしまいます(生後3か月のママ)
生後1ヶ月から夜は7時間、2ヶ月で8~9時間、3ヶ月にはいってからは起こさないと朝まで寝てしまいます。
泣かないので私も寝過ごしてしまうのですが、脱水、おっぱいが出にくくならないかなど不安です。何時間までなら起こさなくても心配なく寝せてて大丈夫なのでしょうか。
日中の授乳回数は7~10回ほどです。2914グラムで産まれて現在3ヶ月半で6400グラムほどです。
A:生活リズムが上手に作れてきています!
助産師・浅井貴子先生のお答え
赤ちゃんの月齢と体重から見ると順調に成長をしているので、おっぱいが足りないということはなさそうです。日中の授乳回数もとても良いと思います。良いリズムでがんばっていらっしゃいますね。
夜の間、赤ちゃんがぐっすり眠っているとのことですが、生活リズムが上手に作れてきているのだと思います。無理に起こさなくてもよいですが、あまり授乳間隔があくとママのおっぱいが張り過ぎたり、乳腺炎になることも考えられます。
ママも無理をして起きなくてもよいですが、おっぱいが張り過ぎたり、腫れやしこりが気になるときは、赤ちゃんを起こして吸ってもらったほうがママは楽になりますね。
それほど気にならなければ圧抜きと言って軽めの搾乳をして様子を見ても大丈夫!
ニンプス編集部より
赤ちゃんの連続睡眠時間については、こちらの記事もぜひご覧ください。だんだんお昼寝が減って夜間の連続睡眠ができてくるのは、赤ちゃんのリズムができている証拠です!
*「ニンプスラボ」の調査では約47%のママが、「腫れ・しこり・乳腺炎」などを経験しています
Q:母乳が足りているか不安です(0ヶ月のママ)
生後3週間です。母乳のみ与えていますが、飲めているのかわかりません。母乳とミルクと併用した方が良いのかと、母乳前と後で何グラムほど増えていたらよいか目安が知りたいです。
A:1日30gの体重増加が目安です
助産師・浅井貴子先生のお答え
母乳育児の場合、赤ちゃんがしっかり飲めているかとても不安ですね。一般的に1ヶ月で700g~1kg増えていれば、母乳育児をそのまま続けて大丈夫です。一日の体重増加量は30g/日になります。赤ちゃんのデジタル体重計をお持ちでしたら、生後半月までは授乳後の体重が1回で40~80g、生後1~2ヶ月は80~120g増えていれば問題ありません。
とはいえ、毎回測定したり気にしているとママが疲れてしまうかもしれません。無理のない範囲で行ってくださいね。
下記のようなことがあれば、母乳不足も考えられます。1ヶ月健診で相談してみましょう。
【母乳不足のサイン】
- 赤ちゃんの機嫌が悪い
- おしっこの数が1日5回より少ない
- うんちの数が1日2~3回以下(便秘のお子さんはその限りではありません)
- おっぱいに長く吸い付いていて、外すと泣いてしまう
Q:乳首のケアは必要?(8ヶ月の妊婦さん)
現在、妊娠8ヶ月ですが、乳首に分泌物のカスが付いているような気がします。出産までにこまめに拭き取ったりして、キレイにしておく必要はありますか?
A:28週を過ぎたら気にかけてみてください
助産師・浅井貴子先生のお答え
妊娠後期(28週)になったら、乳首やバストのお手入れをしてみましょう。赤ちゃんが吸いやすい乳首になります。お腹が張ったり切迫早産、逆子の場合は臨月に入ってからしてください。
白いカスは乳粕といって、初乳や乳頭の脂がポロポロと取れる場合があります。オイルやクリームを塗布して乾燥を防ぎましょう。
Q:これって乳腺炎でしょうか...(2ヶ月のママ)
おっぱいがすぐ張ります。娘が飲んでくれる量が少ないようでおっぱいが出過ぎているようです。
時々、ダルさと節々の痛みといった風邪のような症状があるのですが、おっぱいが張りすぎて詰まってしまったような感じです。 痛みを我慢して自己流でマッサージをしています。 母乳外来に行こうか悩んでいてまだ行ったことはないです。
どうしたらよいでしょうか?
A:早めの受診をおすすめします
助産師・浅井貴子先生のお答え
母乳分泌過多からの乳腺炎になりかけているようです。なるべく早めに母乳外来を受診してください。
乳腺に炎症が起こる状態を「乳腺炎」といいます。おっぱいが重く感じたり、針を刺すようなチクチクした痛みがあったり、おっぱいにしこりができているとき。またおっぱいに赤い部分や熱を持った部分があるとき、乳首に白栓ができていたり、いつもと違う痛みや違和感があるときは、乳腺炎の可能性があります。
自己流のマッサージは患部を逆に広げてしまう事もあるので助産師などの専門家の方のマッサージの指導のもと行うようにしてくださいね。
フットボール抱きなどの赤ちゃんへの飲ませ方や抱き方を変えることで楽になることもあります。母乳外来に相談いただくといろいろな方法を教えてもらえます。
Q:母乳パットで肌荒れ...(3ヶ月のママ)
使い捨ての母乳パッドを入浴中以外は、常にブラジャーの中に付けています。
こまめに取り換えているのですが、乳輪周りの乳房が赤くなり荒れてきました。母乳パッドの使用をやめたほうがいいのでしょうか。 それとも何か塗り薬を塗ってパッドは着けていてよいでしょうか。
A:布製のパットもあります
助産師・浅井貴子先生のお答え
母乳パットは生理用ナプキンと同じように表面は不織布で出来ているので、湿度が多いブラジャーの中でこすれてしまい、接触性の皮膚炎になってしまったのではないかと思います。
布製の母乳パッドにして適宜交換をして様子を見るか、痒みがある時は皮膚科で塗り薬を処方してもらってください。
なるべく汗を拭いたり下着を替えたりと乳房は清潔にしてくださいね。
Q:調乳はミネラルウォーターでもよい?(臨月の妊婦さん)
ミルクを作る時に、沸かしたお湯で粉ミルクを溶かしてから、市販の「ミネラルウォーター」を入れて冷ましても良いですか?
A:ミネラルウォーターの種類によってはNGです
助産師・浅井貴子先生のお答え
ミネラルウォーターの種類によって異なります。
一般的な軟水のミネラルウォーターは大丈夫ですが、硬水などのミネラル成分が多いミネラルウォーターは赤ちゃんの胃や腸や腎臓の負担になることがあります。避けたほうがよいでしょう。
粉ミルクの中には赤ちゃんの成長に必要な電解質が入っているので、できれば電解質が全く入っていない「純水」がより安心です。
現在、日本国内で普及している家庭用のウオーターサーバーは軟水なので大丈夫です。心配な場合はメーカーさんに確認ください。