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結果レポート

「新型コロナウイルス」で今、困っていること[妊婦さん1,676名大調査]

いまだ世界中で感染の拡大が止まらない、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。今、おなかに新しい命を宿している妊婦さんは、不安な日々を過ごしていらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで「ニンプスラボ」では出産ジャーナリストの河合蘭さんと共同で、新型コロナウイルス感染症についての緊急アンケート調査を行いました。新型コロナウイルスによって妊婦さんにどんな影響があり、何に困っているか、妊婦さんは今どんなことを感じているのか――調査結果の一部を公開します。

 

なお、この調査を受けて河合蘭さんが取材した現代ビジネス-FRaU(講談社)短期集中連載「新型コロナと妊婦」第1回「もし妊婦が新型コロナに感染したら…?「1,676人の不安」に答える ~産科医療崩壊は起きうるのか」はリンク先からご覧いただけます。ぜひ本レポートと併せてお読みください。

 

トピックス

  • 両親(母親)学級の中止7割!マタニティライフへの影響大
  • 働く妊婦さんの不安は、通勤感染・職場感染・休職を言い出せない
  • 夫の立会い出産NGも4割。産後の面会も制限
  • 里帰り出産では「自分が感染源になる」不安
  • 93%が「妊産婦向け情報が不足している」と回答

調査概要

  • 調査対象:妊婦中のかた
  • 調査期間:2020年4月8日~4月12日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 有効回答数:1,676名

*回答比率(%)は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります。
*複数回答の質問については、回答比率の合計が100%を超える場合があります。

 

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調査結果

 

◆両親(母親)学級の中止7割!マタニティライフへの影響大

新型コロナウイルス感染症の流行によって妊婦さんが被っている、直接的な影響について聞きました。

 

感染の拡大を防ぐには「人との接触機会を減らす」のが有効とされているため妊婦さんも例外ではなく、お産や育児を学び、妊婦さん同士が知り合う貴重な機会である両親学級(母親学級)の半数以上が、残念ながら中止となっていました。

 

また、わずかながら、妊婦健診の回数が減ったという回答もありました。

 

Q:新型コロナウイルス感染拡大の影響により、あなたが経験された妊娠中のことがあれば教えてください(複数選択可)。

(回答数: 1,676 )

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〈「その他」の回答例〉

  • 里帰り出産の初診は2週間自宅待機後
  • マタニティ用下着などの買い物にいけない
  • 夫の取引先の社員が感染したため、1ヶ月程実家に帰省し隔離生活
  • 産科でマスク必須になったが、マスクが手に入らない
  • 会社が在宅勤務なので(妊娠の)報告タイミングを逃している
  • 上の子の幼稚園が休園になり妊婦検診に連れて行くか、夫に仕事を休んでもらわないと妊婦検診に行けない
  • 年金免除の手続きに市役所へ行くのが怖くて手続きできない

 

両親学級の中止について、何か代わりになるものが提供されているのか尋ねたところ、6割ほどの妊婦さんには両親学級等の代替となる情報が提供されていないことがわかりました。

 

Q:出産施設の両親学級(母親学級)のかわりとなるものが提供されていたら、教えてください(複数選択可)。

(回答数: 1,166 )

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妊娠や出産、産後の情報については妊婦さん各自が探して得るしかないという現状が見えてきました。助産師さんらがYouTube、ZOOMなどを用いてオンラインで母親学級を開催するという動きもすでに出ています。妊婦さんたちの中にもネット等で、情報を得ている人は多いようです。

 

Q:どのようにして妊娠中の過ごし方や出産・育児の準備を学んでいますか、もしくは学ぶ予定ですか?

(回答数: 1,676)

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◆働く妊婦さんの不安は、通勤感染・職場での感染・休職を言い出せないこと

今回のアンケートに回答いただいた妊婦さんのうち、43.6%が現在仕事をしている、働く妊婦さんでした。28.4%のかたは休職中あるいは産休中とお答えいただいています。働く妊婦さんに心境や状況について伺うと、いま心配していることは

  • 通勤中の感染
  • 職場での感染
  • 産休時期より早めの休職を言い出せない

が上位にあがりました。

 

Q:現在の心境や状況として下記の中にあてはまるものがあれば選んでください(複数選択可)

(回答数: 731 )

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上位の「通勤中」「職場」での感染不安については、Twitterのトレンドに「#妊婦の出勤停止」がランクインするなど、現在、出勤せずに仕事ができるよう配慮を求める声が上がっています。

 

なお「ニンプスラボ」の本調査結果も、関係各所に働きかけ、妊婦さんの勤務状態が改善されるよう、結果データ提供をしてまいります。

 

◆夫の立会い出産NGが4割、産後の面会にも制限

「人との接触機会を減らす」のはお産の場でも同じです。立会い出産は中止、もしくは時間や場所を制限して行われることが多くなっているようです。

 

立会い出産希望の妊婦さんは約8割(1,676名中、1,364名)。そのうち、7割以上の人が「夫の入室や時間や場所などが制限されている」「まったくできない」と、なんらかの制限があると答えました。

 

Q:新型コロナウイルス感染症対策で、立会い出産に制限がかかっていますか?

(回答数: 1,364 )

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◆里帰り出産で、自分が感染源になるのではと不安

「里帰り出産」に関する心配の声も。

 

今回の調査で里帰り出産を検討していた人は全体の4割弱、検討しているにも関わらず、新型コロナウイルス感染症の影響でその計画を取りやめたり迷ったりしている人が4人に1人ほどいました。

 

Q:里帰り出産を計画されていますか?

(回答数: 1,676 )

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里帰り出産をすることによる不安や心配についても質問したところ、6割近くの人が「知らない間に新型コロナウイルスに感染し、自分が感染源になってしまうかもしれない」ことを不安に思っていることがわかりました。

 

Q:里帰り出産をすることについて、あなたが困ったり不安を感じたりしている(いた)ことがあれば教えてください(複数選択可)。

(回答数: 607 )

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なお、東京産婦人科医会ホームページに、里帰り出産を断念した妊婦さんの受け入れ先病院一覧があります。活用ください。

 

◆93%が「妊産婦向け情報が不足している」と回答

新型コロナウイルス感染症は新しいウイルスのためわからないことも多く、中でも、妊婦さんに向けた情報については、圧倒的に不足していると言わざるを得ないでしょう。アンケートでも93.3%の人が、妊婦さん向けの新型コロナウイルス感染症に関する情報が「少なすぎる」と答えています。

 

Q:妊婦さん向けの新型コロナウイルス感染症に関する情報の量は十分だと思いますか?

(回答数: 1,676 )

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なお、「どんな情報を必要としているか」という問いについては、かかった時の対処に関わる選択肢に多くの関心が寄せられていました。

 

Q:新型コロナウイルス感染症について、どんな情報を知りたいですか?

(回答数: 1676 )

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〈「その他」の回答例〉

  • 分娩予定施設で院内感染が起こった場合の対応
  • 院内感染時の転院先の保証
  • 少ない症例の今の段階で無駄に心配する必要はないという情報が本当なのかどうか
  • 産院が閉鎖された際の措置
  • 会社に対してどのように要請すべきか。その後の育休手当や辞職を勧められた場合の対応、育休手当等の金銭的な事
  • 海外の妊婦感染のデータ
  • 職場、企業側へ情報を与えてほしい
  • もし自分がかかってしまった場合、こどもたちのお世話のサポート的制度
  • 早めに休職したので、お金をもらえる方法

 

◆国へ・企業へ・不安や提言、妊婦さんからのお願いとメッセージ

最後に、自由回答に寄せられた妊婦さんからのメッセージをご紹介します。

 

めちゃくちゃ不安です。緊急事態宣言が出されても激混みの電車、駅、開いている飲食店、自分の身を守れても、家族がどうか分かりませんし、産む場所がなくなったらと思うと本当に不安です。妊婦が感染しなきゃいいという問題ではありません。終息のためにできることを全力でやってほしいです。(東京都/妊娠22週/第1子)

 

国が、全く妊産婦についてのコロナ対策を明言してくれない。出勤するなと言われなければ出勤しなければならない。また、私は派遣社員のため休職したら職場に戻れなくなるのではないか心配。不安しかありません。(静岡県/妊娠18週/第1子)

 

今通っている個人のクリニックから総合病院に転院して出産する予定です。総合病院に健診に行くようになるのが怖いです。待合室は混んでいるし、コロナにかかった患者さんが来ているかもしれないと考えてしまいます。(北海道/妊娠8週/第1子)

 

私は不育症でハイリスク妊婦のため限られた施設でしか出産ができません。 最寄りの受け入れ可能な分娩施設は地域の中核病院であり新型コロナウイルス感染者を含む様々な患者の受け入れを行なっています。 院内感染が起きる可能性もあり、そうなった場合どこで分娩ができるのかが分かりません。 通常の妊婦に対する情報も少ない中、ハイリスクの場合や早産になった場合ちゃんとしたサポートが受けられるのか分からず不安です。 ガイドラインや情報の提供があると少し安心できると思います。(茨城県/妊娠7週/第1子)

 

自分の職場は理解があり、在宅で仕事ができているが、そうではない方のことが心配です。 今の一番の心配は医療崩壊が起きた時に、自分のお産が安全に行えるかということです。現場スタッフの皆さんが奔走されているのはよく分かるので、どうにか踏みとどまれるように社会全体が協力してくれるように動くよう、社会制度他をうまくデザインしてほしいです。(神奈川県/妊娠29週/第1子)

 

幼児、新生児を抱えた状態でこのような混沌とした中育児をするのは不安でしかない。一刻も早い収束を願っているが、残念ながら自分だけは大丈夫だからと外出や旅行に出掛ける人も多くいる。緊急事態宣言にも関わらず強制力はない…矛盾している。現状をみて、海外のように強制力のある制限をしてほしい。(宮城県/妊娠36週/第2子)

 

今後数ヶ月後のことを考えたときに、スタッフ減少などでどんなお産になるのか想像がつかない。私はもうお産が近いからまだいいが、今妊娠している妊婦さんたちの不安は計り知れないと思うので今から徹底して産科スタッフへの感染を防がなければならないと思う。辛いが立会、面会不可は今からするのが妥当だと思う。 妊娠することをバッシングするような動きもある。どうか小さな命とそれを守る妊婦、母親を守ってほしい。(岡山県/妊娠37週/第1子)

 

肺疾患を持ちながらの妊娠で、確実にコロナで重症化するのがわかっていながら、一体なにが正しいのかわからず。通院もとても怖い。社会の保証も不安定で先が見えなくてほんとにつらいです。(東京都/妊娠7週/第1子)

 

まず、国・メディアからの妊婦に対する情報・支援などが無さすぎると感じています。私達は初期の頃からずっと不安に感じていました。国は少子化を問題視していますが、実際にこの大変な時に妊婦として過ごしていて感じるのは、未来の子供の命、親の命を全く尊重するつもりがないのではないかということです。 私は在宅勤務ができていますが、夫の会社は在宅が不可です。国や自治体から、妊婦がいる家庭の社員は原則在宅勤務などの指示を出してもらえないのか。 1人で頑張って対策をしていても、外からウイルスを持ち込まれてしまっては何にもなりません。自分と子供の命を、この先が見えない中守り続け、産まれてからも様々なリスクに立ち向かっていくことに心が折れそうです。 私は持病も抱えており、そちらの通院などでも悩んでいます。(神奈川県/妊娠30週/第1子)

 

初めての出産なのでわからないことばかりですが、出産説明会やいろんな楽しみにしてた説明会もなくなり、妊婦さんとの交流もなく、なんの知識のないままの出産、そして生まれてからも感染せずに育てられるかと不安です。 最後のマタニティたのしくすごしたかった。したいことはたくさんあるのに出来なくて、辛くもやもやした毎日。 入院時に必要なガーゼは売ってもないしマスクがないと病院もいけない。(京都府/妊娠32週/第1子)

 

都内から地元へ戻り2週間が経ちます。地元の総合病院ではまだまだコロナに対して警戒が薄く、待合室も密接密着状態、 そんな中、初診は一日がかりと言われ、怖くてなかなかかかれずにいます(糖尿内科のみ)妊婦だからといって予約を取れるなどの特別な事は一斎ありません。密集した環境で順番待つ事を今は一番恐れている事です。はやくオンライン診療が開始されたらと思いますがうちの地元では無理でしょう。(ほとんどが高齢者のため) 院内感染が起きてからでは遅いと思うのですが…(福島県/妊娠33週/第1子)

 

2年の不妊治療の末に妊娠しました。絶対に無事に産みたいと強く思っているが、リスク回避と仕事や生活との両立が難しい。 流行してまだ半年経たない病気のため、妊娠初期にかかってしまったらどうなるのか不安。世界中の妊婦が不安だとは思うが、緊急事態宣言下の都県に住み暮らしているのに出勤している私たち夫婦の暮らし方にとくに不安がある。 過度な心配はいらないと厚生省は言うが、どこからが過度なのか。具体的にどうしたら理想的なのか指針が欲しい。(東京都/妊娠8週/第1子)

 

感染を防ぐ為には面会謝絶も立ち会い出産禁止も仕方ないことだとは思うが、何かしらのメンタルケアが欲しい。 夫が仕事に行かなくてはならない状況で罹患には厳重に注意した行動はしているが、三密な以上絶対とは言えない。 この状況で出勤しなければならない妊婦さん達の不安は計り知れないと思う。(愛知県/妊娠26週/第1子)

 

感染拡大による勤務先の状況や、社会情勢により、仕事が続けられなくなる、もしくは休職を余儀なくされる等の影響があった場合、産休育休手当が減額される可能性があることは大変不安を感じている。家賃など払えるのか、生活費を抑えるために引っ越しが必要になった場合に、今かかっている病院が遠くなる等もあり得る。 自分の体調以外の要因で収入が減ることに対して不安を感じています。(東京都/妊娠12週/第1子)

 

目に見えなくてどうしようもない命を背負うプレッシャーがあることを世の中の人にもっと感じてもらいたい。自分一人だけなら治るものも、胎児がいるから薬も使えなくて治せないというジレンマを抱えているという事を知ってもらいたい。(神奈川県/妊娠18週/第1子)

 

(2020/5/3追記)

※上記以外の自由回答をニンプスの続報記事で紹介しております。よろしければ併せてご覧ください。

新型コロナが私たちにもたらしたこと… アンケートから聞こえた妊婦さんの声|妊娠・出産・マタニティ情報サイト – ニンプス

 

Q:お気持ちをお聞かせください

Q:本当は家族で赤ちゃんを迎えたい

(回答数: 1676 )

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◆妊婦さん、妊婦さんに関わるみなさまへ

今回、短期間での募集にもかかわらず1,676名もの妊婦さんがアンケートに答え、声を寄せてくださいました。

 

この声をより多くの方々に届けることで、社会的な動きへとつながり、妊婦さんが少しでも安心できる対策が取られればと、私たちは考えています。

 

本アンケート調査についてはinfo@ninps.comまでお問い合わせください。回答者の個人情報に関わる項目は除き、妊婦さんの支援に役立てていただけると弊社で判断させていただいた場合はデータを無償提供させていただくことも考えております。また本調査に関する取材等につきましても、上記までご連絡いただければ幸いです。

 

産休でもらえる手当て等が知りたい方は、「ニンプス」のこちらの記事をご覧ください。保険証と給与明細がお手元にありましたら、ある程度のもらえる金額と時期が計算できます(正社員以外の方も利用いただけます)。

 

なお、妊産婦の方々に向けた新型コロナウイルスに関する情報は厚労省、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会などが随時発表しています。それら信頼のおける機関の情報を参照し、できるだけ正しい情報を得てくださるよう、併せてお願いいたします。

 

〈妊産婦向け新型コロナウイルス関連情報(順不同)〉

厚生労働省「「妊婦の方々などに向けた新型コロナウイルス感染症対策」をとりまとめました」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報|公益社団法人 日本産科婦人科学会

【妊産婦のみなさまへ】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について(7報)|日本産婦人科医会

日本産婦人科感染症学会|インフォメーション

 


 

☆本調査データを引用・転載する場合は「ニンプスラボ・河合蘭共同調査」と出典をご記載ください。また編集・加工などをして利用された場合はその旨も明記くださるようお願いいたします。

 

掲載後でも構いませんので、ご一報いただけますと大変うれしく思います。

 

ニンプスラボでは各種調査・コンサルティングなどを承ります。調査のご依頼や広告メニューなどにご関心をお持ちの場合はお気軽にお問い合わせください。

 

  勝野

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