仕事・産休・育休

【2020年版】妊娠・出産でもらえるお金・助成金・戻るお金

この記事を監修したのは

河渕(こうぶち)ちさと先生

社会保険労務士

室町社会保険労務士事務所所属。 流通業、企業向けの研修・コンサルティング業にて勤務後、社会保険労務士として開業。 「様々な人がよりハッピーに、より長く働けるための環境づくり」を目指し、企業の就業規則の作成・見直しや年金等の相談業務等に携わっている。

妊娠・出産の前後は出費がかさむもの。産休・育休中のお金が心配になるかたも多いのではないでしょうか。妊娠・出産の際は、もらえるお金・助成金や戻ってくるお金、そして支払いが免除されるお金があります。いつ・いくらもらえるかがわかれば、生活のめどが立ちやすくなるのではないでしょうか。

 

また、妊娠から出産までにかかるお金のめども知っておけばより安心です。

 

妊娠・出産でもらえるお金・助成金はいくら?

もらえるお金・助成金、支払いが免除されるお金については、

  • 現在、仕事をしているか
  • 産後、仕事に復帰予定か
  • どんな働き方をしているか
  • 赤ちゃんは1人か、双子か、それ以上か

などの条件で金額が変わってきます。お手元に「健康保険証」と「給与明細」をご用意いただけば、下記のツールでおおよそのもらえる金額と時期が計算できます。

 

妊娠・出産でもらえるお金や助成金の種類

金額や時期は上のツールで計算できますが、もらえるお金・助成金にはいくつかの種類があり、種類によって手続きをするタイミングや申請時期が異なります。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

 

・出産育児一時金【ほぼ全員がもらえる】

 

加入している健康保険から子1人につき42万円もらえる制度です。双子なら84万円、三つ子の場合は126万円です。妊娠4ヶ月(85日)以上で出産したママが対象です。

 

受け取り方が3種類ありますが、原則は、加入する健康保険から“出産する医療機関に直接”支払われる「直接支払制度」となります。

 

「直接支払制度」の場合は、健康保険(組合)から42万円が産院などの医療機関に直接振り込まれ、パパママは出産費用との差額を医療機関に支払います。目安ですが、出産費用の平均は505,759円*1なので、42万円が医療機関に振込まれた場合、パパママが用意するお金は差額の約9万円の負担で済むということになります。

 

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健康保険に加入しているかたが対象なので、ほぼ全員が該当します。ただし、家族の扶養になっているかたは、家族が加入する健康保険から「家族出産育児一時金」として支払われます。

 

「直接支払制度」以外の2つの受け取り方についてはこちらの記事をご覧ください。

 

 

・妊婦健診補助券【ほぼ全員に補助される】

 

妊婦さんは「妊婦健診」で定期的に、自分と赤ちゃんの健康状態を確認したり、必要な検査を受けることが大切です。健診費用は公費による助成があります。

妊婦健診は、おおむね14回を標準としています。

 

  •  妊娠初期~23週:4週に1回(計4回)
  •  妊娠24週~35週:2週に1回(計6回)
  •  妊娠36週~出産:1週に1回(計4回)

 

検査の項目などのばらつきはありますが、全国のほぼすべての市区町村で14回の妊婦健診の助成を「妊婦健診補助券」のかたちで受けられます。病院等で「妊娠」と言われたあとに、お住まいの市区町村に「妊娠届」を提出すると「母子手帳」と「妊婦健診補助券」がもらえます。

 

・児童手当【ほぼ全員がもらえる】

 

3歳未満の子どもがいる家庭で、月額一律1万5,000円がもらえます。ただし所得制限があります。たとえば共働きのご夫婦で、はじめてのお子さんの場合、ママパパどちらか所得の高いほうの年収がおよそ875万円を超えると、所得制限世帯となり「特例給付」として5,000円が支給されます。

 

所得制限の詳しい区分は、内閣府の情報をご覧ください→

 

「児童手当」は産後すぐ(赤ちゃんが生まれた日の翌日から15日以内)に手続きが必要です。出生届を出すときに一緒に手続きするのが一般的です。申請が遅れた月の分はさかのぼってもらえません。

 

 

・出産手当金
【自分自身で健康保険に加入しているかたがもらえる】

 

「産前・産後休業(略して産休と呼びます)」期間中は仕事ができないため、この期間はお給料がもらえません。そこでママの減った収入の一部を補填し家族の生活を保障することを目的とした「出産手当金」制度があります。ママ本人が加入する健康保険から支給されます。

 

休業1日につき、給与を日給に換算した額の約3分の2がもらえます。対象となる期間は産休と同じ、産前42日(多胎の場合は98日)、産後56日分です。

 

【金額の目安】

  • 給与が25万円・出産日ぴったりに・赤ちゃん1人を出産した場合、合計約56万円
  • 給与が25万円・出産日ぴったりに・赤ちゃん2人を出産した場合、合計約89万円
  • 給与が30万円・出産日ぴったりに・赤ちゃん1人を出産した場合、合計約65万円

※いずれも概算です。

 

出産手当金をもらうためには条件があります。また出産日が予定日より前か後かで、金額が少し異なります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

 

 

・育児休業給付金【働いていて、産後育休を経て復職予定のかたがもらえる】

 

産前・産後休業が終わると、「育児休業(略して育休と呼びます)」の期間に入ります。産休中と同じく、育休中もお給料ない会社がほとんどです。子どもが1歳(要件付きで1歳6ヶ月または、2歳)になる日の前日まで、雇用保険から支給されるのが「育児休業給付金」です。

 

2ヶ月に1度お給料の50%~67%が支給されます。給付金を受け取るためには、育休期間中、2ヶ月に1度手続きを行う必要があります。

 

もらえるための条件は、

  • 雇用保険に加入している
  • 育休取得後後、仕事復帰するママ(育休を取得するパパも対象)

です。詳しくは下記の記事をご覧ください。

 

 

戻ってくるお金や免除されるお金

妊娠・出産のときに払ったお金のうち、戻ってくるお金や支払いを免除されるお金もあります。

 

・社会保険料【免除されるお金】

 

働いている方は、給与から健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・源泉所得税・住民税等が毎月控除され(引かれ)ます。産休、育休中は、勤務先に手続きしてもらうことで、社会保険料(健康保険料厚生年金保険料)の納付が免除されます。

 

また、産休育休中は、手当金や給付金の助成はありますが、給与が出ないので雇用保険は控除されません(引かれません)。さらに、出産手当金、出産育児一時金、育児休業給付金などは課税対象外となっているため、これらのもらえるお金には所得税もかかりません。

 

なお、さらに、健康保険料と厚生年金保険料は免除ても産休育休中も納付とみなされます。そのため産休や育休を取得したことにより、将来の年金額が減少することはありません。詳しくは下記の記事でご確認ください。

 

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・高額療養費【戻ってくるお金】

 

帝王切開や切迫早産による入院となった場合は、通常の出産よりも医療費がかかります。医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される「高額医療費」制度があります。健康保険によって手続きの方法が異なるので、確認しておきましょう。

 

なお、帝王切開の予定が事前にわかっている場合(予定帝王切開)は、「限度額適用認定証」の申請が可能です。これにより、一度払ってから払い戻しを受けるのではなく、退院時に差額分のみを支払うことができます。詳しくは下記の記事をご確認ください。

 

 

・医療費控除【戻ってくるお金】

 

妊娠や出産に関わらず、1月から12月までの家族全員の医療費の合計が10万円を超えたら、確定申告をすることで税金の一部が戻ってくる可能性があります。医療費だけでなく、通院のための交通費も医療費控除の対象となります。妊婦健診の際に産院まで公共交通機関を利用して通院した場合は、交通費としてかかった金額を控えておくとよいでしょう。詳しくは下記の記事をご覧ください。

 

 

*1公益社団法人 国民健康保険中央会調べ(平成28年度)

 

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