この記事を監修したのは
河渕(こうぶち)ちさと先生
社会保険労務士
室町社会保険労務士事務所所属。 流通業、企業向けの研修・コンサルティング業にて勤務後、社会保険労務士として開業。 「様々な人がよりハッピーに、より長く働けるための環境づくり」を目指し、企業の就業規則の作成・見直しや年金等の相談業務等に携わっている。
出産を機に仕事を辞めるという方にぜひ知っておいていただきたいのが「失業給付の受給期間延長手続き」。妊娠出産で"もらえるお金"とはちょっと性質が異なりますが、手続き次第でもらえるはずのお金が、もらえなくならないようにするために知っておきましょう。
そもそも失業給付とは
離職してから再就職までの一定期間の生活を支えてくれる失業給付。雇用保険の被保険者の方で条件を満たせば受給できます。しかし、この手続きは再就職する意思および能力があることが前提のため、妊娠出産で退職してしまった場合は、働く意思がないとみなされ、受給することができないのです。
また、失業給付は原則として、退職の翌日から1年以内にもらい終えなくてはいけないという期限があります。退職して出産して1年以内に求職活動を開始して、失業給付をもらうというのは、出産後のママにはかなり厳しいスケジュールになります。
延長手続きは退職後1か月を過ぎたら早めに
そこで、退職する妊婦さんが、子育てが落ち着いてから再び求職活動するために、失業給付を保留しておくことができる制度があります。もともと1年以内に受給するという制限がありますが、この制度を利用すると3年プラスされ、退職日の翌日から4年以内まで受給する期間を延長することができます。
受給延長の手続きは、妊娠・出産等の理由により引き続き30日以上職業につくことができなくなった日の翌日以降行うことができます。そのため、退職後1か月を過ぎたら、早めにお住まいの地域の管轄のハローワークで手続きすると良いでしょう。その際、離職票が必要ですので、退職時に必ず会社からもらうようにしましょう。また、産後働こうと思ったら、ハローワークで失業給付の申請が必要です。退職する妊婦さんは産後働くかどうかは別にしても、手続きだけは済ませておくと安心ですね。
わからないことがある場合は、最寄りのハローワークに聞いてみましょう。
※2020年2月11日:この記事は、2019年版記事を見直し2020年版に修正しました。