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働く妊婦が新型コロナで休職・出産手当と育休手当はどうなる!?

この記事を監修したのは

河渕(こうぶち)ちさと先生

社会保険労務士

室町社会保険労務士事務所所属。 流通業、企業向けの研修・コンサルティング業にて勤務後、社会保険労務士として開業。 「様々な人がよりハッピーに、より長く働けるための環境づくり」を目指し、企業の就業規則の作成・見直しや年金等の相談業務等に携わっている。

新型コロナウイルス対策として、「厚生労働省は医師の診断を受けた妊婦本人が休業などを希望すれば、事業者に応じるよう義務づける」ことが決定しました。(2020年5月7日:NHKニュース

 

産休までの期間を、解雇や退職することなくゆっくりお休みしたり、時短や在宅勤務にできるのはよいことですが、気になるのは産後の暮らしにも大きくかかわる「出産手当金」と「育児休業給付金」の扱いではないでしょうか。

 

そこで、社労士の河渕ちさと先生に、緊急取材で教えていただきました。

 

【目次】

 

なお、ここでは「母健連絡カード」などにより、職場と「産休までの期間を休職」あるいは「時短勤務等」で交渉・決定できた場合を前提にお伝えいたします。また、情報や制度が現在、随時変わっておりますので、変更の場合は本記載内容を更新する可能性がございます。

 

一覧にするとこのようになります(5/1変更)

 

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休職中【無給】の「出産手当金」

 

産休までの間を「無給で休職」した場合、出産手当金の額は休業しなかった場合と変わりません

 

休職は「一時的な状態」のため、たとえ今から産休までが無給になったとしても、出産手当金は休職前の給与額の約3分の2が支給されます。健康保険の標準報酬月額の随時改定の対象にはならないためです。

 

【「出産手当金」金額の目安】

産休中は、休業1日につき、給与を日給に換算した額の約3分の2がもらえます。対象となる期間は産休期間と同じ、産前42日(多胎の場合は98日)、産後56日分です。

 

金額の目安

  • 給与が25万円・出産日ぴったりに・赤ちゃん1人を出産した場合、合計約56万円

※概算です。

web上で簡単に試算できるツールはこちらです。ご自身の場合の金額と振込時期を計算できます→

 

休職中【無給】の「育児休業給付金」

 

「無給になる前の6か月間」が対象期間となるので、無給で休職しても「育児休業給付金」の支給額には影響は出ません

 

育児休業給付金は、「育児休業の開始時点からさかのぼって、1ヶ月間に11日以上賃金が支払われている月を6ヶ月分カウントし、その6ヶ月間に支払われた賃金を180で割った額」が給付金の算定の基準となります。ちょっとややこしいのですが、つまり無給の期間は計算期間に含まれないため、結果的に育児休業給付金に影響が出ない、というわけです。

 

ただし、転職したばかり・就職したばかりのかたは、休職によって「雇用保険の加入期間」が条件を満たさなくなってしまうかもしれません。ご注意ください。

 

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というわけで、無給で休職した場合、休職期間のお給料は止まってしまいますが、「出産手当金」「育児休業給付金」の額は減りません。

 

ただし、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)と住民税の支払いは休職中も続きます。給与明細のこの部分の金額です。雇用保険は給与がない間は支払いはありません。

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↑社会保険料とは給与明細のこの部分です。これ以外に住民税の支払いが必要です。

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続いて、休職ではなく、在宅や時短勤務等に切り替えて仕事を継続し、給与が減額支給される場合について解説します。

 

時短・日数削減で【給与が支給される】場合の「出産手当金」

 

◆時短・日数削減での勤務が3ヶ月未満のかた

 

給与の減額で働く場合、減額で支給される月数が3ヶ月に満たない場合は、出産手当金の額には影響はありません

 

これは、標準報酬月額の随時改定の対象とならないためです。たとえば現在妊娠7ヶ月の妊婦さんが産休までの間の減給であれば、「出産手当金」の額に変更はありません。

 

◆時短・日数削減での勤務が3ヶ月以上のかた

 

報酬の支払いの基礎日数(≒出勤日数)がどの月も17日以上となった場合、標準報酬月額の随時改定の対象となり、「出産手当金」の総額が減ります。17日未満の場合は「出産手当金」の額に変更はありません。

 

 

時短・日数削減で【給与が支給される】場合の「育児休業給付金」

「育児休業給付金」の額は、働いた日数が11日以上か未満かで大きく異なります。

 

◆働いた日数が1ヶ月に11日以上(以前の勤務と変更なし)の場合

働いた日数が1ヶ月に11日以上あると給付金の計算対象期間となるため、「育児休業給付金」の総額が減ります。

 

たとえば、1日8時間勤務だった方が → 1日6時間勤務に切り替え、勤務日数がそのまま月~金だとして、給料が当初は25万円→時短で20万円になると、20万円の期間も「育児休業給付金」の計算に含められてしまいます。

 

大まかに計算すると...下記のようになります。
※「育児休業の開始時点からさかのぼって、1ヶ月間に11日以上出勤している月を6ヶ月分カウントし、その6ヶ月間に支払われた賃金を180で割った額」が給付金の算定の基準となる

 

・産休までずっと25万円だった場合の「育児休業給付金」

 ≒152万円

 

・時短などで3ヶ月間20万円に減額の場合の「育児休業給付金」

 ≒137万円

※おおまかな計算ですので、目安としてください

 

一方で、働く日数を減らした場合は以下のようになります。

 

◆働いた日数が1ヶ月に11日未満の場合

たとえば、1日の勤務時間は8時間のままで、週2日在宅勤務、給与15万円となった場合は、働いた日数が月11日以上の条件を満たさないので、この場合は在宅勤務になる前の給与額で計算され、育児休業給付金の額は、25万円で働いていた時のまま変わりません。

 

なお、「出産手当金」や「育児休業給付金」は、会社から出るお金ではなく、加入する健康保険や雇用保険から支払われるお金です。これにより会社側に支払いの負担がふえるわけではありませんので、その点はご心配なさらずに会社とお話をしてみてください。

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計算ツールで試算してみよう

ご自身の「出産手当金」や「育児休業給付金」の概算と、振込の時期は、ウェブで簡単に計算できます。ニンプス・ミルケア共同開発のこちらのツールは2020年版です。ご活用ください。(無料です)

 

web上で簡単に試算できるツールはこちらです→

 

 

休職中「休業の手当等」が出る場合

休職中に手当等が出るケースがあります。手当が通常と同じ満額であれば問題ありませんが、減額支給の場合は以下の通りです。

 

◆休職理由が、妊婦さん本人の都合の場合

今回のニュースを受け、医師と相談のうえ妊婦さん本人が休職を申し出ることもふえてくると予想されます。妊婦さんの自己都合で休職する場合、「出産手当金」の金額には影響は出ませんが、「育児休業給付金」は支払われる手当が「賃金」とみなされる場合は、休職期間の賃金が計算に含まれるため、減額になってしまいます。

 

◆休職理由が、会社都合の場合

新型コロナの影響等による、業績悪化で会社都合の休業もあると思います。この場合は、「出産手当金」は減額の期間が3ヶ月以上あると休職期間の賃金が計算に含まれるため、減額になってしまいます。3ヶ月未満であれば影響ありません。

「育児休業給付金」については、休職期間の賃金が計算に含まれるため、減額になってしまいます。

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ただし、賃金の〆日や支払日などによりケースが異なりますので、詳しくはハローワーク・協会けんぽにご相談ください。

 

LINEで簡単診断!

 

文章だけではわかりにくいので、ニンプスLINE公式アカウント内に1分でわかる診断ツールを設置しました。ニンプスLINE公式アカウントと友だちになり、出産予定日を入力いただくとどなたでもご利用いただくことができます。

 

1:ニンプスLINE公式アカウントと友だちに&予定日ご登録


2:「計算ツール」ボタンをタップ

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3:オレンジ色のボタンをタップし、設問に沿ってお答えください

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問い合わせ先は...

「出産手当金」は、協会けんぽにお尋ねください。

「育児休業給付金」は、ハローワークにお尋ねください。

※現在、新型コロナウイルスの影響で各所の電話がつながりにくくなっているようです。

 

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