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妊娠・出産基礎知識

産婦人科医に聞く! 妊婦中の、花粉のギモン

この記事を監修したのは

竹内正人先生

医師(産科医)

地域、国、そして医療の枠を越えて、さまざまな取り組みを展開する行動派産科医。妊娠、出産などに関する著書多数。妊婦さんから絶大な支持を得ている。
https://www.facebook.com/mdtake

 

妊婦さんならではの花粉に対する気がかりを、産婦人科医の竹内正人先生に教えていただきました。

 

Q:花粉による激しいくしゃみ。お腹に力がはいってしまう!

A:くしゃみで流産することはありません。

確かにくしゃみや咳、つわりで吐くときなどに腹圧がかかるのですが、流産をおこす原因にはなりません。何日もくしゃみが続くと、お腹が筋肉痛になるかもしれませんが、赤ちゃんには影響はありません。

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Q:つわりと花粉がかさなって、つらいです

A:花粉の症状には、妊婦でも使える薬を使うのも手です。

花粉の症状の基本的な対処としては、花粉に接触しないよう気をつけることですね。外に出るときはマスクやメガネだけでなく、洋服も花粉がつきにくいものを選ぶ、部屋に入る前には花粉を持ち込まないよう上着の花粉を払い落として脱いでから、などの配慮が大切です。もう一度生活を見直してください。

つわりは徐々に治まってくると思われますが、個人差があり、長引く人もいます。色々な症状が重なるのは大変ですから、花粉の治療薬を使用して、くしゃみ・鼻水だけでも抑えてはいかがでしょう。

 

 

Q:産婦人科と耳鼻科、どちらに相談するのがよい?

A:産婦人科の主治医へ相談、その後耳鼻科へ。

耳鼻科で大丈夫ですが、“妊婦さんには薬を出さない”という方針のドクターもいらっしゃいます。その場合は、産婦人科の主治医に相談し、赤ちゃんに影響のない薬を教えてもらい、それを耳鼻科に伝えるという方法もあります。それでも処方してもらえなければ、産婦人科で処方してもらいましょう。

 

Q:耳鼻科で処方された薬は大丈夫?

A:妊娠中に使える薬は影響ありません。

花粉対策用の薬は、その時期だけ使うものですし、耳鼻科にあらかじめ妊娠を伝えてあれば、妊娠中でも使える薬が処方されているはず。赤ちゃんへの影響も神経質になることはありません。

妊娠初期では、薬を使うのは心配になるかもしれませんが、妊娠中に使用できる薬もあります。点鼻薬やスプレーは体内に吸収される量が少ないので、初期でも使いやすいと考えられます。心配な場合は、耳鼻科で処方された薬を持参して、産婦人科の主治医に相談してはいかがでしょう。

 

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Q:私も彼も、花粉に悩まされています。遺伝しますか?

A:可能性はゼロではありません。とはいえ、過剰な食事制限や、特定食品の大量摂取には注意を。

赤ちゃんの体質はご両親に似るものです。夫婦どちらかがアレルギー疾患である場合や、2人ともアレルギーがある場合は、やはりアレルギーを持った子が生まれやすいという報告があります。アレルギー予防のために、妊娠中の食事を注意したり制限してみても、ベビーがアレルギーになる確率を減らせるというものではありません。一般的な注意としては、特定の食品をたくさん食べたり飲んだりするよりは、たくさんの種類の食材から、少しずつ摂取する方が、アレルギーのリスクは少なくなります。

 

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また、花粉対策としてヨーグルトを食べる、甜茶を飲むなどを心がけている人もいらっしゃるかもしれません。健康食品に関しては、薬と違い妊婦にとっての安全性についての実験データは、まずありません。“妊婦の場合は医師に尋ねるように”という注意書きがあっても、医療者側も説明できないことがほとんどです。その食品を食べていると調子がよいのであれば、妊娠中でも続けても良いでしょう。常識の範囲で、体調をみながら食べるようにしましょう。ただし、1つの食品を大量に取ることはお勧めできません。かえってアレルギーの心配があります。

 

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