この記事を監修したのは
諸隈誠一先生
医師、医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授/日本赤ちゃん学会理事
1996年九州大学医学部医学科卒業。2018年4月、同大学大学院医学研究院保健学部門教授に就任。
一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)
管理栄養士
全国約1000名の管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やヘルスケア事業に取り組む企業や法人の事業サポートやコンサルティング、管理栄養士の人材育成を行う。
Q:妊娠したら、なぜかポテトが大好きに
妊娠したら、 なぜかファストフードの「ポテトフライ」ばかり食べたくなるようになりました。 妊婦さんには、ポテトは良くないですよね。
A:つわりがひどい時は、あまりこだわらずに。
妊娠すると、それまで好物だったものが食べられなくなったり、すっぱいものや油っぽいものなど、特定の食べ物ばかりを食べたくなったりしますよね。 つわりの重い時期に関しては、栄養バランスを意識しすぎることなく、少しでも食べられるものを食べるようにしましょう。妊娠中に食べ物の好みが変化することはよくあること。気に病むことはありません。 ただし、つわりの症状が落ち着く妊娠中期~後期にかけては、体重の管理も意識しつつ、できるだけバランスのよい食生活を心がけましょう。
中性脂肪の摂りすぎに注意!
ポテトフライの主な成分は糖質と油分です。そうなると、中性脂肪が気になりますね。妊娠中は、妊娠していない時に比べて血中中性脂肪〈※1〉やコレステロール値が高くなりがちです。 気をつけておきたい点は、一日の摂取量です。例えば、お昼にポテトフライを食べたのであれば、夕食は油分・糖質を控えめにした野菜中心の食事にするなどの工夫を。 体重が増えすぎると妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の恐れもあります。
また、ポテトフライには塩分も多く含まれています。塩分をひかえることは妊娠高血圧症候群の予防にもなりますので、食べる量を少し減らす、キッチンペーパーなどで周りの塩分を取り除くなど工夫してください。また、ナトリウムを排泄する働きのあるカリウムを多く含む食べもの(ほうれん草、いんげん、海藻類、りんご、バナナなど)を摂取するのも一案です。 食べたいのにNG、と決めてしまうとストレスも溜まってしまいます。栄養の偏りや過剰摂取にならないよう、他の食事とのバランスをとることが大切です。
〈※1〉中性脂肪・コレステロール値は、妊婦健康診査で確認できますので必ず検査を受けましょう。
妊娠中の、食事のコツ