この記事を監修したのは
諸隈誠一先生
医師、医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授/日本赤ちゃん学会理事
1996年九州大学医学部医学科卒業。2018年4月、同大学大学院医学研究院保健学部門教授に就任。
一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)
管理栄養士
全国約1000名の管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やヘルスケア事業に取り組む企業や法人の事業サポートやコンサルティング、管理栄養士の人材育成を行う。
Q:なぜ妊娠中は、喉が渇くの?
妊娠してから、いつもより喉が渇く気がします。水分を多めに摂っても問題ないでしょうか。
A:妊娠中に喉が渇くのは、体のサイン
妊娠中は、初期・中期・後期を問わず、喉が渇きがち。これは、ママとお腹の赤ちゃんが水分を欲している証拠です。そもそも妊娠中は、体の血液量が普段の40%も増え、水分が必要な状態です。赤ちゃんを守る羊水も水分でできています。
トイレの回数が増えることや、むくみを気にして水分を控えてしまう妊婦さんもいますが、これは大きな間違い。妊娠中はむしろ、水分をたっぷりと摂り、トイレに行きたくなったらがまんせずにいきましょう。トイレに行くことで体の余分な老廃物を流し、結果としてむくみや便秘の予防にもつながります。
【妊娠中に水分が必要な理由】
- むくみの予防になる
- 便秘の予防になる
- 腎臓の働きを助ける
また、水分をしっかり摂ることは、お肌の乾燥などの防止にもつながります。妊娠中のかさつきがちな肌のためにも「水分」が重要。気温の高いシーズンは特に汗もかきやすく、ますます体に水分が必要になります。
妊娠中の目安は、1日1.5リットル以上
妊娠中に摂りたい水分の目安は、1日1.5~2リットル。一度にまとめてがぶ飲みするよりも、何度かに分けてこまめに摂るのがベストです。
夏場は特に冷たい飲み物が欲しくなりがちですが、冷たいものは飲みすぎずに、常温を意識してみてはいかがでしょう。積極的に飲みたいのは、糖分やカフェインなどを含まない水が一番。その他、カフェインレスのお茶などもよいでしょう。
ちなみにカフェインには、利尿作用があるため、せっかく摂った水分が体外に排出されてしまい、睡眠の妨げにもつながります。ジュースは、糖分・カロリーの摂りすぎにならないよう注意しましょう。
つわり中は、少しずつでもよいので水分を摂るようにしましょう。氷のかけらをなめるなどの方法もおすすめです。なお、つわりで水を飲むのもつらい時には必ず主治医に相談を。
妊娠中に意識して摂りたい食材・栄養素