この記事を監修したのは
諸隈誠一先生
医師、医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授/日本赤ちゃん学会理事
1996年九州大学医学部医学科卒業。2018年4月、同大学大学院医学研究院保健学部門教授に就任。
一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)
管理栄養士
全国約1000名の管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やヘルスケア事業に取り組む企業や法人の事業サポートやコンサルティング、管理栄養士の人材育成を行う。
Q:妊娠前に比べてむくみがとても気になります。
デスクワークもあってか、妊娠前に比べてむくみがとても気になります。
食生活で、何か改善できることはありますか?
A:まずは主治医に相談を。
妊娠中は、血管が圧迫されたり、血漿量が増えることで、むくみが起こることが多くなります。
妊娠後半の軽度のむくみは、誰にでも起こるものですが、働く妊婦さんは、自分の体調を優先できずに仕事をしたり、通勤の負担や職場のストレスなどがあり、気づかないうちに無理をしがちです。
むくみがひどくなってきたら、まずは主治医に相談し、体に問題がないかを確認しましょう。
軽いむくみの場合は、休む時に足を少し上にあげる(座っている時でも、休み時間には、脚の位置を高くする)、脚の指や足首を動かす、脚湯で脚を温めるなど、脚の方に降りている血液を上半身に戻しやすくすることが、効果的でしょう。また、睡眠不足や過労が続くと、むくみやすくなるので、仕事をもっている妊婦さんは要注意です。
食事からの改善ならば、やはり気にしたいのは、塩分です。仕事をしていれば、どうしても外食、コンビニ食、あるいは市販の総菜を購入することが多くなりがち。自炊に比べれば塩分の摂取量も多くなってしまいます。利用する場合には、薄味のものを選ぶ、明らかに塩分の濃いものは半分残すなど、少し心がけてみてはいかがでしょう。
お腹がすいたときに、スナック菓子やナッツ類(味付きのもの)に手を出すと、塩分の取りすぎにつながります。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)がなければ、すべての食事を薄味にするような厳しい塩分摂取量の制限をする必要はありませんが、いつもよりは、塩分の取りすぎに少しだけ気をつけましょう。
食品でのむくみ対策は、黒豆、小豆などを少しずつ
薬膳では、黒豆、小豆、緑豆、えんどう豆、豆苗などが、胃腸の機能を高め、体の余分な水分を抜くとしています。豆から調理しても、煮てある物を購入しても、最近はお茶用の黒豆や小豆もあるので、利用しやすい物を試してみるのも良いでしょう。いずれも、食べすぎは逆に胃腸の負担になりますので、少量ずつにしましょう。
薬膳で選ぶ食品は、同じむくみでも、体質によって、違うものが勧められます。できれば、専門家に相談のうえで、取り入れましょう。
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