この記事を監修したのは
浅井貴子先生
助産師/マタニティアロマセラピスト
大学病院、未熟児センター勤務を経て、現在は母親学級、育児相談、新生児訪問などを行う。妊婦さん向けのプレママ★アロマ教室を長年開講し産前、産後のアロマケアに定評。助産師のメディカル知識を活かした妊婦水泳&マタニティアクアビクスの専門家でもある。
どうしたら赤ちゃんが眠ってくれるのか、「赤ちゃん訪問」歴25年以上の助産師・浅井貴子先生による寝かしつけのコツをご紹介します。
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〈1〉おくるみで横向き抱っこ
大人も電車に乗っていると、眠くなりますね。これは、骨盤の振動が背骨に伝わって頭蓋骨を規則正しいリズムで揺らすからです。赤ちゃんも同じしくみでお尻のあたりをトントーンとたたいてあげると寝やすくなります。
1.平らな場所でおくるみを三角形にたたみ、△の角が上にくるように置きます。
2.おくるみの上に赤ちゃんをそっとおろします。このとき、赤ちゃんの肘は曲げ、手の位置が肩よりも下にならないようにして、足はM字開脚のようにします。
3.左右の布を着物のように赤ちゃんの体に、ややきつめに巻き付けます。ややきつめに巻くことで赤ちゃんがモロー反射で起きてしまうのを防ぎますが、股関節脱臼予防のため、股間節周囲はきつく巻かないよう注意しましょう。布の端は巻き付けた内側にギュッと折り込みます。
※夏は暑いので短肌着1枚の状態にしてくるんであげましょう。
4.抱っこするときは赤ちゃんの頭をお母さんの心臓に近づけます。赤ちゃんはお腹の中にいたときにいつもお母さんの臍帯血の音を聞いていたので、お母さんの心臓の音を聞かせるだけで落ち着きます。
5.背中ではなく、お尻(骨盤中央の仙骨や坐骨)をトーントンとやさしくゆっくりたたいてあげると寝やすくなります。
規則正しいリズムだと赤ちゃんは心地よく感じます。
〈2〉子宮の中のポーズでまあるい抱っこ
赤ちゃんが泣くと、縦抱きだっこをしてあやすお母さんは多いと思いますが、まあるい抱っこでお母さんと同じ方向を向いてゆらゆらしてあげると、赤ちゃんはお腹の緊張がゆるんで寝やすくなります。
1.イラストのように、赤ちゃんがお母さんと同じ方向を向くように抱っこ(前向き抱っこ)をします。
このとき赤ちゃんの頭はお母さんの胸の中央(おっぱいの間)に来るようにして、両腕で抱えましょう。
股関節より膝の位置が、肘よりも手の位置が上になるようにしてください。
2.ゆっくり左右に子宮の中のポーズでまあるい抱っこゆ~らゆら。
お母さんと同じ方向を向いてゆらゆらしてあげると、赤ちゃんはお腹の緊張がゆるんで寝やすくなります
〈3〉オムツのテープをゆるめて骨盤ローリング
紙オムツのテープを確認しましょう。お母さんの指が4本入るくらいの余裕をもたせてください。赤ちゃんは腹式呼吸していますので、オムツのテープを緩めてあげるだけで寝られる赤ちゃんもいます。
1.赤ちゃんの両足を下から支えるように片手で持ちます。そして、その手にふたをするように、もう一方の手を上から重ねます。
2.オムツをゆるめて(外してもOK)時計回りに足をローリングさせます。この動きにより骨盤内の血流がよくなり、寝やすくなります。
骨盤ローリングは便通にも効果があります。
〈4〉ベッドは横向き着地で!
抱っこでやっと寝た赤ちゃんをベッドのおろしたとたん、またギャン泣きでやり直し…お父さんお母さんなら誰でも経験があるでしょう。ベッドへの置き方のポイントは、いきなり仰向けに寝かせない!です。
1.まず赤ちゃんの足をベッドにつけ、次におしりをそっとおろし座らせます。
2.赤ちゃんを横向きに寝かせます。頭のところにバスタオルなど少し高さのあるものを置いておくとよいでしょう。
モロー反射で赤ちゃんが起きないようにそっと腕をおさえます。
3.背骨をさすります。
背骨には自律神経があり、背骨が緊張していると赤ちゃんはすぐに起きてしまいます。頸椎、胸椎、腰椎 背骨全体をさすってあげましょう。
4.最後、肘でお尻をささえて背中をトントントン。
5.ぐ~っと寝たら、ゆっくり仰向けにしてあげてください。
キャスター付きのベビーベッドなら、「ゆすってあげたいけど疲れちゃった」というときでもベッドごと片手で前後にゆすることができて、便利です。
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