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【03 | 非言語コミュニケーション】- BABY365のある日々

 

★前回のお話

 

 

出産後5日間の入院期間を過ぎ、晴れて迎えた退院の日。

 

ひさしぶりに帰宅した我が家で、一瞬開放的な気分になるも、状況は変わらない。

 

 

授乳、おむつ替え、授乳、抱っこして、授乳、寝かしつけて、授乳、あ、沐浴。

 

しかもそこに洗濯や掃除などの家事も加わり、やるべきことはさらに増える。

 

助産師さんの助けもなければ、もちろんナースコールもない。

 

時間になれば運ばれて、食べ終えると下げてもらえた入院食もない。

 

突然、広野に放たれた気分だ。

 

 

ちょっと前まではそんな状況が好きだった。何より自由を求めて生きてきた。

 

だからフリーランスという道を選んだし、自分一人ならどうにかなってきた。

 

できないことなんて、これまでの日常にはまずなかった。

 

 

しかし、母となったいまはそうじゃない。一人ではけっして生きていけないひとつの命がこの手にかかっているのだ。

 

すでに子を持つ何人かの友人が言っていたことを思い出す。

 

「産んだ瞬間、とんでもないことになったと思った」

 

 

皆、口を揃えて同じようなことを言っていたが、やっとその意味がわかった。

 

まさにその通りだ。とんでもないことになった。

 

 

ミルクがなければ生きていけない。

 

首さえ自分で支えられない。

 

おむつはもちろん替えられない。

 

ひたすら泣いて、眠って、おっぱいを飲んで、そして眠って、また泣きつづけ、おっぱい飲んで、また眠る。

 

つらいのは、なんで泣いているのかがわからないとき。

 

授乳して、おむつも替えて、それでも泣き止まないとき、眠ってもくれないとき、ごめんお手上げ、わたしの負け! で済めばいいが、そういう話ではない。

 

これまでの自分はどれだけ言語によるコミュニケーションに頼って生きてきたのだろうと思う。

 

 

言葉は便利だけど万能ではない。

 

こんなにも毎日、毎時間、毎分いっしょにいるのに、考えていること、欲していることがわからないなんて。はあ。

 

 

なんて言っていているうちに日々はまた過ぎ、二ヶ月を迎えたあたりからやっと、赤ちゃんの求めているもの、欲していることがすこしずつわかるようになってきた。


眠いのか、おなかが空いたのか、おむつを替えてほしいのか、それとも……

 

 

なんで泣いているのかがわかったとき、やっと前に進めた気がした。


母乳の量が足りているとわかったとき、はじめて気持ちにゆとりが生まれた。

 

 

それからだ。

 

育児を楽しむということができるようになったのは。


お世話をするということに加え、子どもを育てるということが何なのか、考えられるようになったのは。〈つづく

 

 

★『BABY365のある日々』は毎月第一木曜日更新です。

 

 

■この日のBABY365

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Profile 【著者】堀川 静

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フリーランスライター。「Hanako」や「BRUTUS」などの雑誌を中心に広報誌や地方自治体のブックレット、WEBマガジンやコーポレートサイトなど、幅広いジャンルの媒体で執筆。2018年9月に第一子となる女の子を出産。現在、育児と仕事の両立を模索中。

 

 

 

 

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