ちょっとやそっと泣いたぐらいで、自分以外の誰かが目の前のすべてを放り出して駆けつけ、抱きしめ、安心して眠りにつくそのときまでそばにいてくれるなんてことは、まあ人生においてそうあることではないわけで、せめて今ぐらいそうしてあげたいと思っている。
とはいえ、泣いて何かを要求することはなくなってきて、なんだかちょっとさびしいような、ぐっと楽になったような。
最近はハイハイでやってきて、「おい、抱っこ」と言わんばかりに両手を上げ、わたしの足にしがみつき、つかまり立つ。
そしてわたしは、やっぱりあっさり抱っこする。
しかし、眠りにつくまでひたすら抱っこ。なんてことはしていない。
出産直後は寝かしつけの正解がわからなくて、眠るまで抱っこなんて当たり前にしていたけど、しばらくしてから慌てて取り寄せたネントレ(編集部注:ねんねトレーニング)本を読んで以降はなくなった。
出産後、買ってよかったもののひとつだ。
わたしは『カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座』と『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』の二冊を、決してその通りではないけれど、かなり参考にさせてもらった。
カリスマ・ナニー、ジーナの本は授乳や搾乳のタイミングについても細かく書かれているので、ネントレ目的に加え、完全母乳で頑張りたいと思っているママの参考にもなると思う。
そして、できれば出産後ではなく出産前に購入することを(産後の貴重な睡眠時間を削りまさに血眼になって読んだわたしの二の舞を決してお踏みにならないように)おすすめする。
買ってよかったものでいうとkonnyの抱っこひもは外せない。
エルゴの抱っこひもを使うにはまだ娘が小さすぎた頃、とりあえずとネットでいくつか取り寄せたが、断トツ使いやすく、いまだにエルゴよりも使用頻度が高い。
ベルトや調整用の器具などまどろっこしいものが一切ない使いやすさはもちろんなのだが、布製なので軽い上にうすく折りたためる。
バギーも、サイベックスかストッケかといろいろ迷ったけれど、結局BABYZEN YOYO+ 0+&6+ で正解だった。
軽いし、小回りが効く上、コンパクト。
セカンドバギーのつもりだったが、結局これ一台でいまのところ十分こと足りている。
チャイルドシートはいまのコンビ(ホワイトレーベル クルムーヴ スマート ISOFIX エッグショック JJ-650 Ltd/JJ-650)が二代目なのだが、一代目とは比にならないほど使いやすい。
シートに乗せて走り出し、しばらくすると娘はたいがい吸い込まれるように眠っている。
おすわりが安定するまで便利だったのはバンボ。最近では付属のテーブルを付け、離乳食用として使用している。よほど仰け反らない限り自分では立ち上がれない構造なので食事中、集中力が切れて遊び出そうとするときなどストッパーにもなる。
あと、aden+ anais(エイデンアンドアネイ)のおくるみは何枚あってもいい。
おくるみとしてはもちろん、ひざ掛けとして、授乳ケープとして、バギーにかけて日よけとして、本当に万能だ。
なくても困らないけれど、あるとちょっと楽しいのがスイマーバ。
初耳の方は画像検索する前に覚悟してほしい。見たらきっと買ってしまうから。なにせ、かわいい。
それから、買ってよかった、というか、出会えてよかったと思う絵本も一冊。
タイトルは『あなたのことが だいすき』。
極めてストレートかつ単純なストーリーを思わせるタイトルなのだ
そして、その後何度読んでもそのたびにこみあげてくる。
見かけたらぜひ手に取って読んでいただきたい。
特に、はじめてママになったママに。
はじめて読んだとき、わたしは救われた気持ちになった。いいんだよって、言ってもらえたような、そんな。
家事も仕事も育児も、正解がわからなくて、どれもギリギリだしいっぱいいっぱいだし探り探りだけど、だいじょうぶ。
この子のことが、だいすきっていう気持ちさえあれば。
けがれもまぎれもないこの気持ちさえ見失わなければって。
そう思わせてくれる一冊。
以上
今回は産後、買ってよかったもの(その一部)でした。〈つづく〉
★『BABY365のある日々』は毎月第一木曜日更新です。
■この日のBABY365
■赤ちゃんとの日々は毎日がたからもの
赤ちゃんと過ごす日々は、たからもののような瞬間の連続です。
フォトブックアプリ「BABY365」では、そんな瞬間を重ね、365日分を一冊の本にすることができます。はじめて抱っこした日も、ハイハイした日も、泣いた日も。そしてもちろん、とびきりの笑顔の日も、赤ちゃんとの毎日を全部「BABY365」に残してください。
Profile 【著者】堀川 静
フリーランスライター。「Hanako」や「BRUTUS」などの雑誌を中心に広報誌や地方自治体のブックレット、WEBマガジンやコーポレートサイトなど、幅広いジャンルの媒体で執筆。2018年9月に第一子となる女の子を出産。現在、育児と仕事の両立を模索中。