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妊娠中の食事

妊娠中、魚のダイオキシンが気になる【医師・管理栄養士監修】

この記事を監修したのは

諸隈誠一先生

医師、医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授/日本赤ちゃん学会理事

1996年九州大学医学部医学科卒業。2018年4月、同大学大学院医学研究院保健学部門教授に就任。

一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)

管理栄養士

全国約1000名の管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やヘルスケア事業に取り組む企業や法人の事業サポートやコンサルティング、管理栄養士の人材育成を行う。

 

Q:近海もののお魚に、ダイオキシンの心配があるって本当?

ランチで選びがちな定食屋さんの定番、アジ・サバ・イワシ。これら近海もののお魚に、ダイオキシンの心配があるって本当?

 

 

A:どんなに良い食品でも毎日、同じ物ばかり食べるのは好ましくありません。

様々な毒性が報告されているダイオキシンですが、ダイオキシンは、空気、水、土などに分布しています。皆さんが触れるダイオキシンは、多くは食品からで、魚は水中に含まれるダイオキシンを体内に貯めるために、食品からのダイオキシン摂取量の約80%程度を魚からとるとされています。

日本人を対象とした調査での平均的な摂取量は、一生を通じて毎日摂取しても健康に問題がないとされる、耐用一日摂取量よりも十分に低い量です。一時的にこの耐用一日摂取量を超える量をとったとしても、健康を損なうことはありません。

妊婦やベビーへの影響については、不明の部分も多いのですが、母乳中のダイオキシン濃度を測定した結果でも、多量のダイオキシンは測定されていません。

魚は、良質なたんぱく質、健康にとって有益な脂肪酸などを含む、妊娠中にも勧められる食品です。魚中のダイオキシンは、魚が食べている餌によっても異なっており、一概にどの魚に多いとはいえないようです。他の体に良いとされる食品もそうですが、どんな食品でも毎日、同じ物をたくさん食べ続ければ、栄養素の偏りや、有害物質の影響の可能性が高くなります。魚に関して言えば、毎日、同じ種類の魚を数百g食べ続けるということでもない限り、耐用一日摂取量を超えることはないでしょう。

 

 

加工食品や健康食品にも気をつけて

魚油は、魚として食べる場合だけでなく、マーガリンやショートニングなどの加工食品や肝油などの健康食品の材料として使われています。通常は、加工される過程でダイオキシンが除去されるために、ダイオキシンの濃度は魚より低いようです。

これまでに高濃度のダイオキシンを含む鮫肝油が報告されています。魚油を材料とした加工食品や健康食品を利用する場合は、信頼のおけるメーカーのものを選ぶようにしましょう。

 

妊娠中に食べてOK・NGのウソほんと

 

 

 

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