この記事を監修したのは
諸隈誠一先生
医師、医学博士/九州大学大学院医学研究院 保健学部門 教授/日本赤ちゃん学会理事
1996年九州大学医学部医学科卒業。2006年4月より九州大学病院助教、2010年6月より同大学病院産科婦人科特任准教授、2011年1月より同大学環境発達医学研究センター特任准教授、2018年4月同大学大学院医学研究院保健学部門教授。
イライラもホルモンが関係する!?
生理予定日の前になると、わけもなくイライラする、不安定になる、体がだるくて集中できない、やけに眠くなる…という経験はありませんか?じつは妊娠初期にも、これと似た症状が起こります。どちらも黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が多くなったことが影響しているようです。
黄体ホルモンが情緒面にどのように働きかけているのかは、実はまだはっきり解明されていません。しかしホルモンのせいでなくても、妊娠という体の変化や大きな状況の変化で、気持ちが不安定になってしまうことは当たり前のこと。
つわりで気分がすぐれない時は、いっそうイライラしてしまいがちですね。イライラだけでなく、わけもなく悲しくなったり、ささいなことで腹が立ったり、何をしていても気分が落ち着かなかったり…。軽度なうつ状態に陥ることもあります。
イライラは改善できるの?
まずは、「妊娠初期のイライラはあるある現象だ」と理解しましょう。自分の我慢が足りないのでは?周囲のせいでは?などと考えずに、「“妊婦さんあるある”かも」と受け止めてしまいましょう。
また、パートナーや近しいご家族には「イライラしやすい」「妊娠したことによる一時的な変化である」という状況を理解してもらえるとベストです。
時には休んでゆっくりしたり、ひとりの時間をもってみたり、好きなことをして過ごしたり、ちょっと周囲にわがままを言ってみてもよいかもしれません。どうしてもつらい時には、ひとりで悩みを抱え込まず、周囲の人や助産師さんに相談を。
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